昨日に続いて、共役リノール酸(CLA)による骨量増加作用の研究データです。
今月の食物科学の専門誌に、骨代謝における共役リノール酸の作用に関して、カルシウムとのシナジーを示した基礎研究が、米国のグループから発表されていました。
(J Food Sci. 2008 Sep;73(7):C556-60.)
これまでの研究によって、共役リノール酸は、抗肥満作用、抗糖尿病作用、動脈硬化抑制作用、免疫調節作用、抗がん作用といった多彩な働きを持つことが示されています。
共役リノール酸は、体脂肪量の減少効果と除脂肪体重の維持という働きに加えて、骨量に対する作用も認められています。
今回の研究では、マウスを用いて、0.5%CLA含有食を投与し、通常のカルシウム含有食(0.5%)投与群あるいはカルシウム強化食(0.66%)投与群との間で、骨代謝への影響が検討されました。
その結果、カルシウム強化食群では、CLA投与による骨量増加作用の亢進が認められました。
この作用は、特に雄マウスで顕著であったということです(p=0.0194)。
以上のデータから、CLAによる骨代謝への好影響が示唆されます。
今後、臨床研究による検証が期待される分野です。
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