サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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小児がんと代替医療 [2008年09月25日(木)]
欧州のがん研究専門誌(オンライン版)に、小児がん患者における補完代替医療の利用状況調査が、ドイツのグループから発表されていました。
(Eur J Cancer. 2008 Sep 20.)


これまでに、補完代替医療の利用状況に関して、比較的多くの調査研究が報告されてきました。

ただ、それらの多くは、一般消費者や様々な疾患に罹患した成人を対象にした調査であり、小児がん領域における調査はあまり知られていません。


そこで、今回の研究では、ドイツの小児がん患者を対象に、補完代替医療の利用状況調査が実施されました。


2001年に小児がんとして登録された患者1595名を対象にアンケート調査を実施し、1063名(67%)から回答が得られました。

調査の結果、回答者のうちの35%が代替医療を使っており、具体的にホメオパシーやサプリメント、人智学(anthroposophic medicine)などがあげられています。


代替医療の利用目的としては、

・身体の安定化、

・免疫機能の賦活化、

・治癒の確率を上げる、

が高頻度に示されました。



代替医療の利用に相関する要因として、

・過去に利用したことがある、

・疾患(小児がん)の予後が良くない

・社会的地位が高い

といった点が認められたということです。



また、代替医療の効果をポジティブに感じている利用者が多く、89%の利用者は、他の人にも勧める、と回答しています。


一方、代替医療の情報源は、多くの場合、医師ではなく、71%の利用者は代替医療の利用を医師に相談していないという問題点も指摘されています。




今回の調査では、具体例として人智学があがるところがドイツの状況を反映していると思われます。

なお、この調査では、ヤドリギ抽出物の利用(mistletoe therapy)も人智学に含めています。

ヤドリギ抽出物は免疫調節作用を有するとされ、人智学としてのがん治療に利用されることがあります。


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