運動時に共役リノール酸(CLA)を摂取することで骨量が増加するという基礎研究データが、米国のグループから発表されていました。
(
J Bone Miner Metab. 2008;26(5):436-45.)
共役リノール酸は、体脂肪減少作用があり、ダイエット用サプリメントとして知られています。
体脂肪や体重の減少時には骨量の減少を伴うことがあります。
(例えば、運動せずに食事制限のみで減量する場合など。)
一方、これまでの研究によって、共役リノール酸は骨代謝の改善をもたらすことが示唆されています。
また、適度な運動は、減量作用および骨量喪失予防作用を生じることが知られています。
そこで、今回の研究では、運動時の共役リノール酸の骨代謝に対する作用が調べられました。
マウスを用いて、1.対照群(コーンオイル投与+運動無し)、2.対照群(コーンオイル投与+運動あり)、3.CLA(0.5%)投与+運動無し群、4.CLAと運動の併用群の4群で10週間、比較検討が行われています。
その結果、CLAを投与した両群(運動無し群と運動併用群の両群)とも、体重の有意な減少と除脂肪体重の増加を示しました。
また、CLA投与群では、骨量の有意な増加が示され、この作用は運動との併用群において顕著であったということです。
以上のデータより、CLAは、体脂肪減少作用に加えて、骨量を増加させる作用があり、運動との併用によってより大きな効果が期待できると考えられます。