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CoQ10による術後経過の改善効果 [2008年10月09日(木)]
胸部外科の専門ジャーナルに、CoQ10(コエンザイムQ10)を心臓バイパス術前に投与することで、術後の経過に好影響を与えるかどうか、検討したヒト臨床研究が報告されていました。
(J Cardiothorac Vasc Anesth. 2008. PMID: 18834786)


CoQ10(コエンザイムQ10)は、抗酸化作用やATP産生作用を有しており、米国では心機能の改善を目的として利用されてきました。

また、近年では、アンチエイジング分野における効果が期待されています。



今回の研究では、体外循環による心臓バイパス手術を受けた患者30名を対象に、CoQ10(150-180mg/日にて術前7日〜10日間)を投与された群(n=15)と、偽薬群(n=15)とで術後の経過が比較されました。


その結果、CoQ10投与群では、術前に比べて術後の抗酸化レベルが有意に上昇し、再灌流不整脈は有意に少なかったということです。

また、対照群に比べて、CoQ10投与群では、入院日数が短かったことも報告されています。



以上の予備的なデータから、CoQ10の術前投与は、心臓バイパス手術の術後経過の改善に有用であることが示唆されます。


CoQ10は、抗酸化作用によって手術の浸襲や虚血再灌流に伴う障害を抑制し、ATP産生作用によって心機能回復に寄与すると考えられます。
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