将ちゃん3歳児クラス、あーちゃんが1歳児クラス。
不安でドキドキしながら見た担任の先生の名前。
将ちゃんのクラスの先生はハキハキサッパリした、
でも柔軟で暖かい本当にいい先生が配置された。
そして「すこやか制度」も導入されて将ちゃんのために
加配の先生もついた。
本来なら3歳クラスから生徒15人、先生1人なのだが
それではフォローが出来ない、ということで
午前中だけだが優しい加配の先生が将ちゃんの心のよりどころになった。
また、刺激を避けるためロッカーの位置を端っこにしてもらい
座る場所がわからない将ちゃんにはビニールテープで
円を作って「見る」支援を心がけてもらった。
将ちゃんはこのクラスでうんと伸びた。
ただ、パニックがなくなったわけではなく
「我慢」を覚えるようになった。
そして私の顔を見るとそれが爆発するらしく
お迎えに行くと
「帰れ!!」
「あっちに行け!」
「キライ!帰らない!」
そして靴や
カバンを投げられたこと、噛まれたこと
蹴られたり殴られたりお迎えのたびにクタクタになった。
あーちゃんはその間じっと砂場で待っていた・・・
将ちゃんがパニックを起こしていることを悟った先生が、そっと
砂場で遊んでくれていることもよくあった。
0歳の時の担任の先生がよくあーちゃんを救ってくれた。
おかげであーちゃんはその先生が今でも大好きだ。
ある日、私は腰を落としてパニックする将ちゃんに話しかけていた。
噛まれても、蹴られても、殴られても動揺しないでおこう。
そう決めて「なんで怒ってるのか聞かせてほしいな」とか
話しかけていたと思う。
今なら多少の時間はほっとくね。
話しかけたら火に油で刺激になることを知っているので。
すると将ちゃんは動じない私に腹を立てたのか
髪の毛を引っ張って、私を転げさせた。
動揺しないつもりでもずっと心の中で我慢していた気持ちが
あふれて私はついに泣いてしまった。
涙は噴出すものだ、と思った・・・・・
それを見て(すでに3人がかりで将ちゃんをとめていたんだけど)
主任先生が「将ちゃん!今のは先生許せないよ!」と
将ちゃんを誰もいないクラスに連れて行きなだめてくれていた。
私はもうどうしていいか、ただただ悲しくて泣いた。
その日は結局姉やうちの母まで動員して帰った。
帰って荷物を置いたら夕焼けがすごかった。
真っ赤になる部屋(西向きに窓があるんで西日がすごいの
)で
私はへたりこんで、静かに涙がこぼれて、動けなくなった。
毎回こんなふうで・・・・・
なんでやろうなあ・・・・
何が悪いんやろうな・・・
正直、死にたいと思った。
将ちゃんを連れて死のうかと思った。
そこから飛び降りたら楽になれるかな。
なれるかな・・・・・・涙がとまらなかった。
ぺたっぺたっぺたっ・・・
足音だ。
顔を上げると、あーちゃんが西日を背ににっこり笑っていた
私は思わずあーちゃんを抱きしめ、思い切り泣いた。
この子を置いて死ねない!!
私と将ちゃんだけ死んだら、この子は大きくなった時どう思う!?
僕のことはどうでも良かったのかって思わない?
違う、絶対に違う。そうじゃない!!
死なない!死ねるわけがない。
3年前、追い詰められていた私を救ったのは
紛れもなく1歳半のあーちゃんだったのだ。