「イヤや!!!!将ちゃん絶対に注射はしない!」
「でもさー・・・絶対しないといけないんだよ

」
「せえへん!」
「小学生になる前にやらないと・・・」
「小学生ならんでいい!!!!!!!!

」
「痛くないよー、きっとすぐ終わるよ

」
「痛いにきまっとる!すぐ終わらんに決まってる!!」
そしてじゃれてくるあーちゃんを
(あーちゃんも空気読めー!!)ぶっ飛ばし、
「うがあああああ
」
と激しいパニックになってしまった
うわあ、焦るあまり追い込みすぎた

と後悔しても後の祭り
いつか出来るようになる、と信じていればこうはならなかったかもしれない
でも やっぱり時間に制約があることは焦ってしまう
将ちゃんはためらわず私の腕に
ガブリ!!
大興奮しているので容赦なかったんで痛さに顔が歪む私
でも・・・・
実はね、私、噛みつかれている、という事実をそんなに悲観していません。
なぜって。
だって将ちゃん、私にだけしかコレをしないんですよ?
私には、私にだけは甘えてくれてるんです。
ここまでしても、お母さんは受け止めてくれると。
だから、将ちゃんに噛まれても私は少し安堵すらするのです
私は、この子の最後の壁なんだ。
私の前ではこんな顔も見せる、見せられる。
良かった、溜め込んで溜め込んでつらい思いをあふれるまで我慢しなくて
私にぶつけてくれている
それでいいんだよ。
しんどかったら、お母さんにそれを分けてくれたらいい。
まだ6歳にもなってないんだから、心に溜め込むなんてしないで欲しい。
パニックは、私と将ちゃんを少しずつ近付けているんだ。
そう思って、毎回パニックの度に一緒に克服してきたんだ。
ただの私の思い上がりかもしれないけど、
将ちゃんは私でないと育てられないと思うんだ。
それは きっと光栄なことではないだろうか?
単なる私の思い込みかな??
それでもいいや、噛まれても安心する私がいるんだもの
だてに13年レジしてないで
腕の筋肉発達してて けっこう硬いもんね
思い切り噛まれたってへっちゃらだ
お母さんの想いを見くびるなよ、将ちゃん
アナタが思ってるよりずっと、母は強いんだからね。
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