今日の午前中,2型糖尿病の食事療法に関するセッションに出ていました。
低炭水化物食のエビデンスに関する内容が中心で,一部に地中海食や食物繊維に関するRCTの提示もありました。
4名の研究者によるプレゼンの後,パネルディスカッションの最初に,座長から,
セッションのタイトルは,
「Controversies in dietary strategies in the treatment of diabetes」
となっているが,特にControversiesはないのでは?
という問いかけがありました。
少なくとも,
炭水化物の摂取量を減らすべき
ということについては,コンセンサスが得られているのでは,という視点からの発言です。
欧米で示されている食事摂取基準の中には,炭水化物の摂取量をエネルギー比で55%にまで設定しているガイドラインもあるが,それらを変更するべき時期ではないのか,
といった質問も投げかけられました。
もちろん,各論では,どの程度減らすのか,炭水化物の種類への考慮はどうするのか,などさまざまな考えがあります。
また,炭水化物の極端な制限や脂質の摂取について,特殊な方法を推奨する民間の食事療法が是認されるわけではありません。
体にいい炭水化物や脂質がある一方で,健康保持に好ましくない種類や量の炭水化物や脂質があるのは明らかであり,かつての低脂肪低エネルギー一辺倒の推奨からは変わってきています。
(数年前は,ローカーボ・低炭水化物食というと民間の食事療法であり,学術界では疑問視されがちでした。しかし,近年のRCTによるエビデンスの集積によって,医学界の認識が変わってきたことを実感します。)
現在の総論でのコンセンサスは,炭水化物の摂取を適切に制限し,地中海食を中心とした食事のスタイルが好ましい,というものです。
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