栄養学の専門ジャーナル(電子版)に,オリーブリーフ(葉)の主要成分であるオレユロペンによる紫外線障害抑制作用を示した基礎研究が,愛媛大学のグループから報告されていました。
(
J Nutr. 2009 Sep 23. PMID: 19776181)
紫外線による光老化などの皮膚障害は広く認識されており,紫外線暴露を避けることが大切です。
今回の研究では,オリーブリーフ(葉)抽出物に含まれるオレユロペンが,UVBによる皮膚障害を抑制するかどうか,検討されました。
具体的には,マウスを用いて,次の6群に分け,オリーブリーフ抽出物あるいはオレユロペンが1日2回,30週間にわたって経口投与され,皮膚障害に関連した各種指標が測定されています。
・UVB非照射群
・UVB照射対照群
・UVB照射+オリーブリーフ抽出物(300 and 1000 mg/kg)投与群
・UVB照射+オレユロペン(10 and 25 mg/kg)投与群
オリーブリーフ抽出物あるいはオレユロペン投与の結果,紫外線暴露時に生じる皮膚の肥厚抑制,皮膚の弾性低下の抑制,発がんの抑制が認められています。
このとき,皮膚におけるMMP-2, MMP-9, MMP-13, VEGF, COX-2といった分子の発現増加も抑制されました。
以上のデータから,オリーブリーフ抽出物あるいはオレユロペンの摂取は,紫外線UVBへの慢性暴露による皮膚障害を抑制することが推察されます。
今後,臨床的意義の検討が期待される分野です。
紫外線は,皮膚の肥厚や弾性の低下などをもたらし,皮膚の老化を進めます。
また,皮膚がんなどの悪性疾患を生じる可能性もあります。
人体にとって紫外線暴露のメリットはなく,ビタミンDについても日常生活での暴露で十分以上であり(つまり日光浴や意識的な紫外線暴露は不要であり),紫外線の害を考えるとビタミンDのサプリメントを利用するという選択肢も一般的です。
なお,
オリーブリーフ抽出物・オレユロペンは,サプリメントとしての利用が可能です。
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