男性型脱毛症(Androgenetic alopecia,AGA)は,成人男性にみられる禿頭(とくとう)の1種です。
思春期以降の時期に,額の生え際や頭頂部の髪が薄くなります。
一般に,遺伝素因や男性ホルモンの影響が原因と考えられています。
AGAに対して,ハーブサプリメントの成分では
ノコギリヤシの働きが注目されています。
これは,AGAの要因のひとつとして,5−α還元酵素によるテストステロンからDHT(dihydrotestosterone)への代謝が関係すると考えられており,ノコギリヤシはこの酵素活性を抑制する作用を有するからです。
なお,ノコギリヤシは,5−α還元酵素阻害作用を作用機序として,前立腺肥大症(BPH)に対して用いられます。
AGAに対しては,BPH治療薬の効果が示唆されていますので,ノコギリヤシにも同様の効果が期待されているわけです。
AGAに対するノコギリヤシの効果については,ランダム化偽薬対照二重盲検臨床試験が報告されています。
(J Altern Complement Med. 2002;8:143-52.)
軽症から中等度のAGAを示す健康な男性(23歳から64歳)を対象に,ノコギリヤシ抽出物(liposterolic extractとβシトステロール含有)を投与した結果,10名中6名の被験者におけるAGA改善効果が認められたということです。
その他,症例報告では,AGAの女性(24歳)におけるノコギリヤシの外用も知られています。
(Australas J Dermatol. 2002 Nov;43(4):311-2.)
今後,臨床的意義の検討が期待されます。
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