サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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白インゲン豆ダイエット法 [2006年06月20日(火)]
本日(6月20日)付で、総務省情報通信政策局が「放送番組問題への対応」という文書を公表しました。その中で、「健康被害が報告された放送番組」関係として、「白インゲン豆を用いたダイエット法」についての警告と再発防止要請が示されました。
これで、「白インゲン豆ダイエット法」に関連した一連の騒動は収まりそうです。

今回の出来事は、5月6日、ある民放で放送された情報番組において、白インゲン豆を用いたダイエット法を紹介したところ、それを実践した視聴者の多くに、腹痛などの健康被害が報告されたというものです。
比較的大きなニュースになりましたので、ご記憶の方も多いと思います。

医学研究では、白インゲン豆(インゲン豆Phaseolus vulgaris)抽出物はα‐アミラーゼ阻害作用を有する成分を含むため、炭水化物の吸収遅延による抗肥満作用や抗糖尿病作用が示唆されています。
今回、問題になった番組が製作された過程は、おそらくこの作用機序からの推測ではないかと思われます。

白インゲン豆抽出物(=サプリメント)を用いた基礎研究や臨床試験では、抗肥満作用・脂質代謝改善作用が示されています。(PMID: 15005645など。その他のデータは、6月18日のブログで紹介した拙著『医療従事者のためのEBMサプリメント事典』(医学出版社)にて解説しています。)

ただし、食用のインゲン豆では、この作用は得られないと思います。
例えば、食用のインゲン豆を加熱すると、α‐アミラーゼ阻害作用を持つポリペプチドの活性が熱によって失われます。
一方、加熱が不十分だと、レクチンなどの糖タンパク質の作用で、腹痛などの消化器症状が生じます。今回の健康被害は、後者のメカニズムによると推測されています。

白インゲン豆抽出物によるα‐アミラーゼ阻害作用を利用するのであれば、サプリメント(ファビノールなど)が有用と思われます。
もちろん、糖尿病のコントロールや肥満の改善には、サプリメントよりも食事療法と運動療法がもっとも大切です。
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コメント
本商品の製造過程では加熱処理を施しているのでしょうか。
だとすると、加熱処理の温度および加熱時間に対するα-amylase inhibitor活性をプロットしたようなデータはお持ちでしょうか。
また、同様の処理によりレクチンタンパク質の残存量はどのように変化するのでしょうか(ELISA、Western Blotting等で)。
また、それらのデータは公開されていますか。
Posted by:Any  at 2006年08月08日(火) 21:37


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