植物療法研究の専門ジャーナル(電子版)に、ノコギリヤシによる前立腺肥大症の症状の低下(改善)と、勃起障害の症状改善を示した臨床研究が、英国のグループ(University of London)から報告されていました。
(
Phytother Res. 2012 Apr 23.)
男性では、加齢に伴って前立腺肥大症(BPH)による排尿障害などの症状が生じます。
良性疾患である前立腺肥大症に対して、サプリメントでは、
ノコギリヤシ(学名serenoa repens)が用いられています。
(ノコギリヤシは,多くの臨床試験によって有効性が示されており,安全性の高いハーブです。医薬品と比べても副作用が少なく,広く推奨できるサプリメント成分です。)
また、前立腺肥大症(BPH)は、勃起障害(ED)の原因ともなりますし、
BPHの治療に用いられるαブロッカーや5-α-還元酵素阻害薬といった薬の副作用として、EDが生じるリスクもあります。
一方、ハーブサプリメントでは、ノコギリヤシが、軽症から中等度のBPHの症状改善に有用であることが、これまでに多くの臨床研究によって示されています。
さて、今回の研究では、多施設共同試験として、
ノコギリヤシによる前立腺肥大症と勃起障害に対する効果が検証されました。
具体的には、患者82名を対象に、1日あたり320rのノコギリヤシが8週間、投与されました。
8週間の介入の結果、
IPSS(国際前立腺症状スコア)は、
14.4±4.7 から 6.9±5.2 へと有意に低下(改善)しました(p<0.0001)。
また、勃起障害について、
BSFI(性的機能評価のための簡易質問票)による評価が行われ、
22.4±7.2 から 31.4±9.2 へと有意な改善が認められています (p<0.0001)。
その他、Urolife BPH QoL-9といった指標でも、
162.7±47.9 から105.0±56.3へと有意な改善が示されました(p<0.0001)。
ノコギリヤシの許容性/安全性についても示されています。
相関分析では、
BPH症状の改善と、ED症状の改善との間に有意な相関が見出されました。
以上のデータから、
ノコギリヤシ投与による前立腺肥大症および勃起障害改善作用が示唆されます。
作用機序は必ずしも明確ではありませんが、ノコギリヤシによるBPH改善の結果、ED症状も改善した、というものかもしれません。
これまでの臨床研究では、ノコギリヤシの評価として、IPSSなどが用いれており、ED関連症状がアウトカムの設定に含まれておらず、報告されてこなかった可能性があります。
DHCでは関連製品として、
ノコギリヤシ、
マカ、
トンカットアリ、
複合サプリメント
などがあります。
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