現在、さまざまな子ども子育て支援策が講じられています。
一方、母子保健では、新たな課題も注目されており、例えば産後うつの問題があります。
葉酸サプリメントの有用性の一つに、産後うつ病のリスク低減に関する報告があります。
産後うつに限らず、うつ病患者では、高ホモシステイン血症が認められることが知られており、
血中ホモシステインが高値であると、うつ病のリスクになると考えられます。
葉酸は、ホモシステインをメチオニンに代謝することで、高ホモシステイン血症を改善することから、
妊娠期間を通じて、葉酸サプリメントを摂取することは、
産後うつの予防/リスク低減に有用と考えられます。
産後うつは、出産後の子育て中に認められる課題であり、
母親自身だけではなく、子ども(乳幼児)や家族にも影響を生じます。
葉酸は、妊娠初期の神経管閉鎖障害リスク低減のために必須のビタミンBであり、
厚生労働省では、
妊娠1か月以上前から、葉酸を合成補助食品(サプリメント)で摂取するように、通知を出しています。
しかし、環境省エコチル調査では、日本の妊婦の90%以上が、葉酸サプリメントを適切にとっていない、と報告されています。
葉酸サプリメントは、神経管閉鎖障害リスク低減に必須であるだけではなく、
妊娠期間を通じて摂取することで、産後うつのリスクを減らす、という研究が散見されます。
例えば、2017年に栄養学の専門ジャーナルに、葉酸サプリメントを6か月以上摂取すると、産後うつのリスクが、24%低下する、という報告がありました。
(Nutrients. 2017 Nov 2;9(11).)
具体的には、
コホート研究として、
2015年7月から2017年3月までの間に、
中国人女性1592名において、
妊娠中の葉酸サプリメントの摂取と、産後うつのリスクとの関連が検証されました。
まず、
出産後6-12週の時点で、
抑うつ尺度SDS(Self-rating Depression Scale)を用いた評価では、
29.4%が産後うつと診断されました。
次に、
葉酸サプリメントの摂取期間について、
6か月以下の群と比べて、
6か月を超える期間摂取していた群では、
産後うつの罹患率が有意に低値でした。
傾向スコアマッチング(プロペンシティスコアマッチング, propensity score matching法)による解析では、
葉酸サプリメントの6か月以下の利用者601名に比べて、
6か月を超える期間の利用者601名でも、同様の傾向でした。
さらに、
ロジスティクス解析の結果、
妊娠中に葉酸サプリメントを、6か月を超える期間とっていた群では、
6か月以下の群に比べて、
産後うつのリスクが24%低いという相関が見出されています。
(OR = 0.76; 95% confidence interval: 0.59-0.98; P < 0.05)
以上のデータから、
中国人の妊婦において、
妊娠期間中に6か月以上の葉酸サプリメントの摂取による産後うつのリスク低下作用が示唆されます。
作用メカニズムとして、
うつのリスクである高ホモシステイン血症の改善が考えられます。
欧米やオセアニアなど世界80カ国以上では、葉酸は穀類に強制添加されており、ある程度、普段の食品(シリアルやコメなど)から摂取されていることから、
それらに追加して、葉酸サプリメントを摂取しても、その有用性の検出は容易ではないと思われます。
これに対して、日本や中国では、葉酸が添加されておらず、
葉酸サプリメントの摂取による有用性が得られやすいと考えられます。
葉酸はビタミンB群の一つです。
成人の場合、生活習慣病、特に動脈硬化性疾患に対する
葉酸サプリメントの効果が知られています。
葉酸サプリメントの投与によって、血中ホモシステイン値が低下し、
ホモシステインによる血管内皮障害が抑制されることで、
動脈硬化性疾患のリスクが低下すると考えられます。
実際、これまでの観察研究や疫学研究において、
血中ホモシステイン値が低いと、脳卒中や心血管疾患の発症率が低いことが示されています。
葉酸サプリメントで脳卒中が10%低下、心臓病が4%低下:メタ解析
葉酸サプリメントはACE阻害剤との併用で脳卒中を31%低減する
葉酸の摂取が多いと認知症が半減:フランスでの研究
DHCは、サプリメント・健康食品のメーカーとして、セルフケアとして、サプリメントの適正使用による認知症の「予防」を啓発しています。
境町葉酸サプリプロジェクト:健康長寿社会の実現を目指して
葉酸は、食品にも含まれますが、プテロイルポリグルタミン酸という形であり、利用効率は50%です。
一方、サプリメントに利用されている合成された葉酸は、プテロイルモノグルタミン酸であり、生体での利用効率が85%と高いことが特徴です。
葉酸サプリメントの利用は、中高年の動脈硬化予防の点からも推奨されます。
日本での食事摂取基準では、葉酸は、240㎍の摂取が推奨されています。
一方、葉酸代謝にかかわる遺伝子変異により、約16%の日本人では、多めの葉酸摂取が必要です。
そこで、天然型よりも安定して吸収率が高い合成型の葉酸サプリメントを400マイクログラムの摂取が推奨されます。
葉酸 30日分
葉酸1日1粒あたり、葉酸400μg、ビタミンB2 1.3mg、ビタミンB6 1.7mg、ビタミンB12 2.5μg
通常価格
\239(税込\258)
------------------------------------------------------------------
DHCは、トータルヘルスケア企業として地方自治体と連携し、健康づくり事業に取り組んでいます。ふるさと納税にも協力し、地方創生を支援しています。
地域での健康長寿社会の実現に、DHCとして貢献できるように努めています。
グルコサミンの風評被害by整形外科医
サプリメントがファーストラインとなる病態:レビュー
研究と利害の衝突@抗インフルエンザウイルス剤
研究と利害の衝突についてのルール作成
コクランの妥当性
はじめまして、DHC健康食品です
「DHCの遺伝子検査 元気生活応援キット」で体質や疾患感受性を判定
サプリメントと医薬品の相互作用ハンドブック―機能性食品の適正使用情報
DHC医薬品通販
医師や薬剤師など専門スタッフがしっかりサポート、DHCの医薬品は、かぜ薬、消炎・鎮痛剤、外皮用薬など商品も充実。
------------------------------------------------------------------