神経学の専門ジャーナル(電子版)に、チョコレート摂取と脳卒中リスク低下との相関を示した疫学研究が、北欧のグループ(Karolinska Institutet)から報告されていました。
(
Neurology. 2012 Aug 29.)
チョコレートには、カカオポリフェノールが含まれており、ポリフェノールの抗酸化作用を介した機能性が注目されています。
これまでの疫学研究や臨床試験では、高血圧症の改善、心血管疾患(動脈硬化性疾患)リスクの低減、抗がん作用などが報告されています。
健康増進・疾病予防という目的では、カカオの含有量が多いダークチョコレートの摂取がポイントです。
さて、今回の研究では、
チョコレートの摂取と、男性における脳卒中リスクとの関連について、前向き研究とメタ解析が行われました。
まず、
前向き研究として、
男性37,103名を対象に、食事調査を行い、
初回脳卒中が調べられました。
(Cohort of Swedish Men)
次に、2012年1月13日までの医学データベース(PubMed and EMBASE)を用いて、
対象となる研究が検索されました。
解析の結果、
前向き研究では、10.2年間の追跡期間中、1995例の脳卒中が見出されました。
内訳は、脳梗塞1,511例、 脳出血321例、その他 163例です。
チョコレートの摂取量が多いと、脳卒中リスクが低いという相関が認められました。
多変量解析では、
チョコレートの摂取量の四分位で、
最高群(median 62.9 g/week)では、
最低群(median 0 g/week)に比べて、
17%のリスク低下が示されています。
脳卒中のタイプ(脳梗塞や脳出血)別との関連は見出されませんでした。
次に、メタ解析では、
5報の合計4,260名が対象となり検証された結果、
チョコレートの摂取が最も多い群では、
最小群に比べて、
脳卒中リスクが19%低いという有意な相関が示されました。
以上のデータから、
チョコレートの摂取が多いと、脳卒中リスクが低下するという相関が示唆されます。
作用機序として、チョコレートポリフェノールによる抗酸化作用や抗炎症作用を介した働きが考えられます。
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