臨床消化器病学の専門ジャーナル(電子版)に、ペパーミントオイルによる過敏性腸症候群(IBS)への有効性を示したレビュー/メタ解析が、米国のグループ(University of California San Diego)から報告されていました。
(
J Clin Gastroenterol. 2013 Oct 4.)
過敏性腸症候群(IBS: Irritable Bowel Syndrome)とは、慢性的に下痢や便秘などの便通異常を生じる疾患です。
IBSでは腹痛や腹部不定愁訴を伴いますが、腸管に器質的な異常は見出されず、消化管の運動異常や知覚異常が認められます。
QOLが低下するため、就業などに支障をきたすことがあります。
(なお、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患IBDでは、腸管に器質的な異常が認められます。)
ペパーミント(学名
Mentha piperita、和名西洋ハッカ)は、シソ科のハーブです。
口臭対策のサプリメントとしても利用されますが、
伝統的には、食べ過ぎた時の消化運動促進、整腸作用、嘔気の抑制などに用いられてきました。
さて、今回のレビュー/メタ解析では、
ペパーミントオイルによる過敏性腸症候群(IBS)に対する有効性と安全性が検証されました。
具体的には、
IBSに対するペパーミントオイル含有腸溶性カプセルの作用を比較した、2週間以上のランダム化偽薬対照比較試験が対象となり、
9報726名のデータが評価されました。
解析の結果、
偽薬群に比べて、
ペパーミントオイル投与群では、
IBS症状の有意な改善が見出されたということです。
(IBS症状の改善:5報で患者392名、RR: 2.23; 95%CI, 1.78-2.81)
(腹痛の改善:5報で患者357名、RR: 2.14; 95%CI, 1.64-2.79)
なお、有害事象として、
胸やけといった症状が、偽薬群に比べて、ペパーミントオイル投与群において高頻度に認められていますが、
症状は軽度で一過性でした。
以上のデータから、
ペパーミントオイル(腸溶性カプセル)による過敏性腸症候群の症状改善作用が示唆されます。
ペパーミントオイルは、NNT(number needed to be treated)が2であり、あらゆる医薬品と比べても、最も有効性が高いことが示されています。
なお、
DHC製品でペパーミントオイルを含むサプリメントは、
瞬間ブレスエチケット
です。
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