スタチン剤(高脂血症治療薬)を投与されている高脂血症患者に対して、魚油(DHA)を追加投与したところ、脂質代謝が用量依存的に改善した、という臨床研究が報告されています。
(Lipids 2007;42:109-15.)
今回の臨床試験は、高脂血症患者45名が対象となり、3群に分けられ、6ヶ月間行われました。
(3群は、ツナオイルを4グラム/日、8グラム/日、偽薬の各投与群です。)
3ヵ月後の時点で、8グラムを投与した群では、偽薬群に比べて中性脂肪値が27%低下したということです。
(4グラムの投与では有意差なし。)
また、総コレステロール値も、魚油の追加によって用量依存的な低下が認められました。
この研究結果から、論文著者らは、DHAの豊富な魚油(一日あたり2.16グラムのDHA)の投与によって、スタチン剤服用中の高脂血症患者における脂質代謝が改善する、と考察しています。
以上の研究は、オーストラリアのグループの発表です。
先日に掲載された別の研究では、日本人を対象にしたランダム化試験において、高コレステロール血症患者に、スタチンとEPAの併用投与によって、心臓病のリスクが低下(冠状動脈イベントが減少)したというデータが報告されています。
(Lancet. 2007;369:1090-8)
日本人を対象にした臨床研究のデータは貴重であると思います。
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