内分泌代謝研究の専門ジャーナル(電子版)に、妊娠糖尿病において、ビタミンDによる糖代謝改善作用を示したメタ解析が報告されていました。
(Horm Metab Res. 2017 Jul 31.)
ビタミンDの摂取が多いと、糖尿病のリスクが低くなるという疫学研究が知られています。
日本で行われた多目的コホート研究(JPHC研究)でも、ビタミンDおよびカルシウムの摂取が多いと、糖尿病のリスクが低いという相関が示されています。
作用機序の詳細は不明ですが、
ビタミンDは、膵β細胞に直接作用し、インスリン分泌に作用しています。
また、ビタミンDは、カルシウムの吸収を促し、カルシウムは細胞内のインスリンシグナル伝達に関与することから、これらの栄養素の不足は、糖代謝異常を生じると考えられます。
これまでに次の研究があります。
日本人2型糖尿病患者の90%以上がビタミンD不足
ビタミンDによるインスリン抵抗性改善作用@2型糖尿病
今回の研究では、
妊娠糖尿病患者において、
ビタミンDサプリメント投与による糖代謝および脂質代謝への働きが、系統的レビュー/メタ解析として検証されました。
具体的には、
主要医学データベース(MEDLINEなど5種類)を用いて、
収載時から2016年8月までの論文(ランダム化比較試験RCT)が検索され、
RCT6報から、187名の患者群、184名の対照群が対象となりました。
解析の結果、
ビタミンDサプリメント投与によって、
インスリン抵抗性(HOMA-IR)の有意な改善、
[SMD -0.66; 95%CI, -1.14 to -0.18],
インスリン抵抗性(HOMA-β)の有意な改善、
(SMD -0.52; 95% CI, -0.79 to -0.25)
LDLコレステロールの有意な改善(低下)、
(SMD -0.33; 95% CI, -0.58 to -0.07)
インスリン感受性の有意な改善
(QUICKI) (SMD 0.73; 95% CI, 0.26 to 1.20)
が見出されました。
なお、
ビタミンDサプリメントでの空腹時血糖値、インスリン値、HbA1c、HDLコレステロール、中性脂肪には有意な変化は認められていません。
以上、今回のメタ解析データから、
妊娠糖尿病において、
ビタミンDサプリメント投与によるインスリン抵抗性の改善、およびLDLコレステロール値の改善作用が示唆されます。
近年、ビタミンDは、骨の健康維持だけではなく、免疫調節作用や抗がん作用など、多彩な効果が示されています。
一般に、
健康保持や疾病予防、ヘルシーエイジングを目的としたビタミンD3サプリメントは、
1日あたり
25マイクログラム(1,000 IU)から、50マイクログラム(2,000 IU)が推奨されます
ビタミンD3サプリメントは、安全性、有効性、経済性に優れていますので、健康保持や疾病予防、あるいは多くの疾患での栄養状態を改善する前提条件に、ベーシックサプリメントとして広く利用されることが推奨できます。
多くの生活習慣病や慢性疾患、難治性疾患の患者群において、ビタミンD低値が示されており、ビタミンDサプリメントの臨床的意義が注目されています。
ビタミンD、
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