今月の臨床栄養学の専門誌に、肥満患者において、糖質制限食/低炭水化物食のほうが、低脂肪食よりも糖代謝改善作用や減量効果を示す、という臨床研究結果が、フランスとデンマークのグループから報告されていました。
(Am J Clin Nutr. 2017 Jul 5.)
どのような食事療法が好ましいのかは、体質/個人差もあり、すべての人に適した食事というものはなく、各自の体調や体質、ライフステージに応じて、テイラーメイドでの食事が望まれます。
一方、
肥満やメタボリック症候群対策、NAFLDなどの生活習慣病の改善には、
従来の低カロリー低脂肪食だけではなく、糖質制限食/低炭水化物食の有用性に関するエビデンスも増えてきました。
DHCでは、
肥満・糖尿病・アンチエイジング・ヘルシーエイジング(健康長寿)のための食事として、
「‘ゆるやか’糖質制限」(緩やかな糖質制限食・低炭水化物食)を推奨しています。
さて、今回の研究では、
肥満者を対象にした3つのランダム化比較試験において、
グリセミックロードや、食物繊維、全粒穀類の摂取量の異なる食事による、減量効果、リバウンド予防効果、糖代謝関連指標への作用が検証されました。
具体的には、
まず、
DiOGenes (Diet, Obesity, and Genes)試験の参加者で8週間の減量後、
26週間にわたり、グリセミックロードが高い食事と低い食費を摂取した研究。
また、
健康的なNew Nordic Diet (OPUS) Supermarket intervention (SHOPUS)を摂取したデンマークの小児に対する研究への参加者に対して、
26週間のNew Nordic Diet(高食物繊維、全粒穀類)を摂取した研究。
NUGENOB (Nutrient-Gene Interactions in Human Obesity)試験の参加者で、
低カロリー/低脂肪/抗炭水化物食
あるいは、
高脂肪/低炭水化物食
のいずれかを10週間摂取した群。
以上の3つの臨床試験の被験者について、
介入前の空腹時血糖値に基づき、
被験者を、
正常血糖値の群: (FPG <5.6 mmol/L),
糖尿病前段階(予備軍): (FPG 5.6-6.9 mmol/L),
糖尿病群: (FPG ≥7.0 mmol/L)
の3群に分けて、
空腹時血糖値、空腹時インスリン値の変化が調べられています。
解析の結果、
まず、
DiOGenes試験の参加者では、
糖尿病予備軍の被験者において、
低グリセミックロード食よりも、高グリセミックロード食のほうが、
体重のリバウンド(再増加)が有意に大きい値でした。
(5.83 kg, 95% CI: 3.34, 8.32 kg; P < 0.001)
正常血糖値の被験者では、
1.44 kgより大きい体重の再増加が認められました。
(95% CI: 0.48, 2.41 kg; P = 0.003)
[群間での差: 4.39 kg (95% CI: 1.76, 7.02 kg); P = 0.001]
次に、
SHOPUS研究では、
糖尿病前段階の被験者は、
対照食投与群よりも、
New Nordic Diet食摂取によって、
有意な減量効果を示しました。
(6.04 kg, 95% CI: 4.05, 8.02 kg; P < 0.001)
一方、正常血糖値群では、
平均体重減少効果は、 2.20 kg多くなっていました。
(95% CI: 1.21, 3.18 kg; P < 0.001)
[群間の差: 3.84 kg (95% CI: 1.62, 6.06 kg); P = 0.001]
さらに、
NUGENOB研究では、
糖尿病患者は、
低脂肪/高炭水化物食群よりも、
高脂肪/低炭水化物食群のほうが、
2.04 kg (95% CI: -0.20, 4.28 kg; P = 0.07)の減量効果を示しました。
このとき、
正常血糖値群では、
高脂肪/低炭水化物食群のほうが、
0.43 kg (95% CI: 0.03, 0.83 kg; P = 0.03)より大きい減量効果でした。
[群間の差: 2.47 kg (95% CI: 0.20, 4.75 kg); P = 0.03]
その他、
空腹時インスリン値は、
以上の相関との一致した変化を示しました。
以上のデータから、
肥満患者において、
空腹時血糖値が高値を示す場合、
低グリセミックロードの食事、
高食物繊維、全粒穀類の食事などが有用であると考えられます。
最近の研究によって、糖質制限食・低炭水化物食よる減量・ダイエット効果や2型糖尿病での血糖コントロール改善効果が明らかとなっています。
また、
植物性たんぱく質および植物性脂質による心臓病リスク低減作用が知られています。
医学的に適切ではない糖質制限食のパターンとして、「糖質制限食・低炭水化物食では、‘焼き肉・ステーキ’食べ放題」があります。
動物性たんぱく質や動物性脂質の過剰摂取は、心血管疾患リスクを高めることが懸念されます。
植物性食品をベースにした糖質制限食・低炭水化物食による体重と脂質代謝への効果として、
エコアトキンスダイエットの減量と脂質代謝改善作用
といった研究もあります。
DHCでは、
肥満・糖尿病・アンチエイジング・ヘルシーエイジング(健康長寿)のための食事として、
「‘ゆるやか’糖質制限」(緩やかな糖質制限食・低炭水化物食)を推奨しています。
最新の科学的根拠を俯瞰すると、
「緩やかな糖質制限食・低炭水化物食」を基本とした食生活が、
「ヘルシーエイジング(健康長寿)」
「ダイエット(適正体重の維持)」
「アンチエイジング(抗加齢)」
に有用であると考えられます。
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