今月の栄養学の専門ジャーナルに、クルミの効果を示した研究がギリシアのグループから報告されていました。
(Br J Nutr. 2008 Apr;99(4):715-22.)
これまでの疫学研究では、地中海地域では、閉経後の女性における心血管疾患や骨粗鬆症のリスクが低いことが示されており、理由として(ナッツ類やハーブ類の摂取の多い)地中海式ダイエットによる作用が考えられています。
今回の研究では、クルミ(walnut、学名Juglans regia)による血管内皮細胞および骨代謝に対する影響が検討されています。
その結果、クルミ抽出物およびエラグ酸による血管内皮細胞における細胞接着分子(VCAM-1やICAM-1)の発現に対する抑制作用、骨芽細胞に対する促進作用が示されました。
このデータから、クルミによる動脈硬化抑制作用や骨粗鬆症予防作用が示唆されます。
|