今月の栄養学の専門ジャーナルに、コーヒーの摂取がパーキンソン病のリスクを低下させるという調査研究が、フィンランドのグループから報告されていました。
(Eur J Clin Nutr. 2008 Jul;62(7):908-15.)
今回の研究では、コーヒーの消費とパーキンソン病発症の関係を調査する目的で、50〜79歳の男女6,710名を対象に、22年間にわたる調査が行われています。
フォローアップ中、101例のパーキンソン病発症が報告されました。
そして、年齢や性別、教育水準、アルコール摂取量、BMI,脂質代謝指標、結婚歴などの因子で補正され後、1日あたりのコーヒー摂取量とパーキンソン病との関連が解析されています。
その結果、コーヒーを1日10杯以上飲む人は、まったく飲まない人に比べて、パーキンソン病発症のリスクが74%低いというデータが得られています
(RR:0.26, 95% CI;0.07–0.99, P-value for trend=0.18)
この相関は、肥満者および血中コレステロールが低い人の間でより強い傾向が認められました。
(P-value for interaction=0.04 and 0.03, respectively)
以上のデータから、コーヒーの消費が多いとパーキンソン病のリスクが抑制されるという関係が示唆されます。
今後、作用機序の解析も含めた臨床的意義の検討が期待される分野です。
|