今月の栄養学の専門ジャーナルに、ケルセチンの体内動態を検討した基礎研究がドイツのグループから報告されていました。
(J. Nutr. 2008 138: 1417-1420.)
フラボノイド系ファイトケミカルの1種であるケルセチンについては、これまでに多くのデータが示されています。
今回の研究では、バイオアベイラビリティについての検討として、モデル動物を用いて、ケルセチンの長期投与と単回投与が比較され、組織への蓄積が調べられました。
ケルセチンアグリコンが、25mg/kg体重の用量にて単回投与、あるいは50mg/kg体重の用量にて4週間投与された結果、血漿値よりも高値であった組織は、単回投与時では肝臓、長期投与では小腸壁と腎臓であったということです。
この研究では、ベータグルクロニダーゼ活性も測定されていますが、特に有意な変化は認められていません。
ケルセチンは植物性食品に広く分布するフラボノイドであり、抗酸化作用を有することからサプリメントにも用いられています。
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