糖尿病の専門誌(オンライン版)に、ビタミンKサプリメントのインスリン感受性に対する作用を検討したヒト臨床研究が、米国のグループから発表されていました。
(Diabetes Care. 2008)
これまでの研究にて、ビタミンKは、インスリン抵抗性に対する好影響が示唆されていますが、ヒト臨床研究での検討は十分ではありません。
そこで、今回の研究では、非糖尿病の高齢者355名(60歳から80歳、60%が女性)を対象に、1日あたり500マイクログラムのビタミンK(フィロキノン、ビタミンK1)サプリメントを3年間投与し、インスリン抵抗性に対する影響が解析されました。
(試験は、ビタミンKの骨代謝への作用を検討したランダム化偽薬対象二重盲検法。)
インスリン抵抗性(HOMA-IR)、空腹時インスリン値、血糖値等について測定が行われた結果、男性では偽薬群に比べてビタミンK投与群においてインスリン抵抗性の有意な改善が認められたということです。
一方、女性では特に有意な変化は示されていません。
以上のデータから、ビタミンKサプリメントは、高齢男性において糖尿病のリスクを低下させることが示唆されます。
ただし、この研究で投与されたビタミンKは、食事摂取基準と比べると比較的高用量になっています。
したがって、臨床的意義についてはさらに検討が必要と考えられます。
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