コクラン共同計画によるレビューに、キトサンの抗肥満作用を解析した論文が発表されていました。
(
Cochrane Database Syst Rev. 2008 Jul 16;(3):CD003892.)
(前回(2005年)のレビューに比べて、今回は臨床試験の数が1報、増えており、対象となる被験者の総数も多くなっています。)
このレビューでは、肥満あるいは過体重の成人を対象に、キトサンを4週間以上投与したランダム化比較試験を抽出し、メタ分析が行われています。
合計1,219名を対象にした15報のメタ分析の結果、偽薬群に比べて、キトサン投与による次の作用が認められました。
@体重の有意な減少
(weighted mean difference -1.7 kg; 95% CI -2.1 to -1.3 kg; P < 0.00001)
A総コレステロール値の有意な低下
(-0.2 mmol/L; 95% CI -0.3 to -0.1; P < 0.00001)
B収縮期血圧の有意な低下
拡張期血圧の有意な低下
なお、有害事象の頻度および脂肪排泄量に関して、両群間での有意差は認められていません。
また、臨床試験の質が十分とはいえないので、さらに検討が必要とされています。
これらの臨床研究で示されたキトサンの有効性と安全性を考慮すると、体重のコントロールにおいてキトサンのサプリメントが選択肢の一つになると思われます。
DHCでは、
キトサンや
キノコキトサン(キトグルカン)といったキトサン含有サプリメントを製品化しています。