今月の脂質研究の専門ジャーナルに,大豆イソフラボン含有製品による脂質異常症改善作用を示した基礎研究が報告されていました。
(
Lipids Health Dis. 2009 Oct 8;8(1):40.)
心血管疾患の予防のために,脂質異常症(高脂血症)に対するサプリメント/健康食品の利用が注目されています。
これまでの研究によって,大豆ヨーグルト(
Enterococcus faecium CRL 183)や大豆イソフラボンによる脂質異常症改善作用が示唆されてきました。
今回の研究では,脂質異常症モデル動物を用いて,脂質異常症に対する大豆ヨーグルトの影響が検討されています。
具体的には,高コレステロール血症モデル動物(ウサギ)を対象に,
C:対照群
IY:イソフラボン添加大豆ヨーグルト投与群
H:高コレステロール食負荷群
HY:高コレステロール食負荷+大豆ヨーグルト投与群
HIY:高コレステロール食負荷+大豆イソフラボン添加大豆ヨーグルト投与群
HP:高コレステロール食負荷+偽薬投与群
HI:高コレステロール食負荷+イソフラボン投与群
HE:高コレステロール食負荷+ヨーグルト培養菌(CRL 183)投与群
の8群に分けて60日間の実験が行われました。
血中脂質および酸化LDLが測定された結果,大豆ヨーグルトや大豆イソフラボン添加大豆ヨーグルト投与群において,総コレステロール値の有意な低下および酸化LDLの上昇抑制作用が認められています。
また,大動脈の解析では,大豆イソフラボン添加大豆ヨーグルト投与群において,動脈硬化病巣の最大の減少(51.4%, P<0.05)を認めたということです。
以上のデータから,大豆イソフラボンによる脂質異常症改善作用および動脈硬化巣の抑制効果が示唆されます。
大豆イソフラボンは,さまざまな大豆製品から摂取できます。
また,サプリメント/健康食品を利用する場合には,大豆製品に含まれる構造に近い
グリコシド型の大豆イソフラボン製品が好ましいと考えます。
(アグリコン型のほうが,吸収は優れていますが,血中濃度の急峻な上昇が,長期的な視点で臨床的にどのような影響を生じるのか,現時点では不明確です。)
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医療関係者のための健康食品情報サイト【DHCサプリメント研究所】
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