今日は朝から会議(congress)でした。
アジア統合医学会議として,東アジアから東南アジア,豪州,インド,サウジアラビアの各国から伝統医療や代替医療,統合医療の医師,研究者が集まり各国の現状についての発表と討議が行われました。
私は午後の最初のセッションで,co-chair/座長の担当でしたが,朝到着すると,プレゼンの順番変更の希望がサウジ側からよせられたので,関係する発表者を一人ずつ回って調整するハメになってしまいました。
お昼過ぎに,事務局の人が方位(方角)を確認していました。
(開催場所は昨日と同じく東大理学部の小柴記念ホールです。)
なんでも,イスラム諸国からの参加者のために,事務局側は食事などについての対応は準備していたようですが,お祈りのために,方位の確認も必要だったようです。
さて,午後の最初のセッションでは,各国のプレゼンについてco-chairの私が座長をさせていただき,最後の討議についてはchairpersonにわたしました。
(会議全体の時間がおしていたので,持ち時間を超過した発表者を急かしたり,ディスカッションの内容が袋小路にならないように調整したり,といったことくらいが努めでした。)
会議の最後は,宣言文に各国の代表者が同意してお開きとなり,成功裡に終了できました。
(この日もホテル近くで懇親会云々,ということらしかったのですが,昨日に続いて/いつもどおり欠席して帰宅しました。)
今回のアジア統合医療会議では,各国の現状,制度,伝統医療に対する取り組みに関する情報共有が中心でした。
やはり,「統合医療」ということについて,欧米とアジアでは,かなりの違いがあることを実感しました。
アジア各国では,伝統医療が主流医学として存在してきた歴史的背景があります。
そこで,アジア諸国における統合医療というのは,まず,自国の伝統医療のエビデンスを構築しつつ,その伝統医療と近代西洋医学を組み合わせたものが統合医療である,という理解が多いようでした。
(もちろん,欧米の学会や研究会に参加している医師や研究者は,欧米における統合医療の理念や考え方は知っています。
一方,自国で統合医療について理解を得て,それを推進するとなると,戦略的には,自国の伝統医療と,西洋医学との組み合わせ,という表面的なことにならざるを得ないかもしれません。
WHOの調査では,世界の人口の7割程度は,近代西洋医学の恩恵を受けておらず,伝統医療や民間療法に頼っているということです。
したがって,アジア諸国でも,いわば,「発展途上国型の統合医療」,という選択になるのでしょう。)
ところで,午後のコーヒーブレークのとき,O先生からワイル先生のPIMを修了した日本人のMDが10名に達したということを知りました。
(O先生ご自身も昨年12月修了です。)
日本におけるIMの推進ということでは,IMの理念や医療哲学を共有するMDのグループが構成されつつあるようで,今後の活躍に大きな期待が持てます。
(現状では,単にIMの名前を利用するために参加するCAM関係者が少なくないため,玉石混淆であることが問題ですので。)
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