今月の栄養学の専門ジャーナルに,赤ワインによる血管内皮細胞への作用を示した基礎研究が,イタリアのグループから報告されていました。
(
Br J Nutr. 2010 Mar;103(6):807-14.)
赤ワインにはポリフェノールが豊富に含まれており,抗酸化作用や抗炎症作用を介して,動脈硬化性疾患を予防します。
今回の研究では,赤ワイン摂取後にヒトの血清を採取し,TNFα依存性の転写因子活性化(NF-κB, activator protein-1 (AP-1), cAMP response element-binding proteins)に対する作用,および,ヒト臍帯静脈内皮細胞における細胞接着因子や繊維化に関与する遺伝子発現に対する作用が調べられました。
具体的には,5 ml/kg体重の用量にて赤ワインを摂取し40分後に採取された血清では,転写因子であるNF-κBとAP-1の誘導が見出されました。
(転写因子は,遺伝子発現を調節するタンパク質です。)
一方,TNFαは,赤ワインによる転写因子の誘導を遅延させたということです。
また,赤ワイン摂取血清では,c-junとplasminogen activator cAMP responsive elementとの結合が刺激され,いくつかの遺伝子発現が調整されることも見出されました。
これらのデータから,赤ワイン摂取後の代謝産物は,血管内皮細胞において,炎症に関係する転写因子の発現を調節すると考えられます。
今後,臨床的意義の検証が期待される分野です。
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こんなにも体にいいとは、嬉しいですね☆