今月の腫瘍学の専門ジャーナルに,クルクミンによるアポトーシス誘導,化学療法感受性亢進,抗炎症作用を示した基礎研究が,米国のグループから報告されていました。
(
Transl Oncol. 2010 Apr;3(2):99-108.)
ウコンの有効成分であるクルクミンは,転写因子のNF-kappaBに対する抑制作用を介して,抗がん作用など多彩な効果を示すことが知られています。
今回の研究では,がん細胞実験系を用いて,クルクミンによるNF-kappaB活性,がん細胞増殖,抗がん剤に対する感受性が検討されました。
具体的には,食道腺腫細胞において,NF-kappaB活性,5-FUおよびシスプラチンへの感受性が検討された結果,クルクミン投与によるNF-kappaB活性抑制作用,(Flo-1およびOE33細胞系における)アポトーシス誘導作用が認められたということです。
また,これらの培養細胞系において,5-FUとシスプラチンによるアポトーシス誘導の増加も示されています。
以上のデータから,クルクミンの抗がん作用のメカニズムとして,アポトーシス誘導作用および抗がん剤感受性亢進作用などの働きが示唆されます。
クルクミンの抗がん作用については,臨床研究のデータも集積されつつあり,今後の発展が期待される分野です。
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