食事由来のαリノレン酸(ALA)による抗炎症作用が米国の研究グループから報告されました。
(Am J Clin Nutr 2007 85: 385-391)
動脈硬化症は、慢性炎症性疾患の一つととらえられています。
これまでの研究によって、高コレステロール血症患者を対象にした研究において、食事に由来するALAの摂取量が多いと、脂質代謝を改善し、炎症性心血管リスクを低減することが示唆されています。
ALAは、DHAやEPAと同じオメガ3系必須脂肪酸の1種です。
しそ油や亜麻仁油、ごま油などがALAを多く含んでいます。
さて、今回の研究では、試験食を摂取した被験者の培養末梢単核球を用い、高ALA食による抗炎症性サイトカイン濃度への影響が検討されました。
高コレステロール血症23名を対象に、ランダム化クロスオーバー法にて、3種類(高ALA食、高リノール酸食、平均的な米国食)の試験食が6週間投与されました。
その結果、高リノール酸食や平均的な米国食に比べて、高ALA食摂取群では、IL-6, IL-1およびTNF-αの産生が有意に低下し、TNF-αの血中濃度が有意に低下していました。
このデータから、ALAの多い食事を摂取すると、いくつかのサイトカイン類の産生が抑制され、その結果、抗炎症効果が得られると考えられます。
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