サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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レスベラトロールによるインスリン抵抗性改善作用 [2012年04月10日(火)]
科学誌に、レスベラトロールによるインスリン抵抗性改善作用を示した基礎研究が、フランスのグループ(Muséum National d'Histoire Naturelle)から報告されていました。
(PLoS One. 2012;7(3):e34289.)





レスベラトロールは、ポリフェノールの1種で、赤ワインやブドウ、ピーナッツなどに見出される色素成分です。


レスベラトロールは、長寿遺伝子であるサーチュイン遺伝子を活性化することが知られています。


近年のアンチエイジング研究では、レスベラトロールによる長寿遺伝子の活性化作用が話題になっています。


(栄養障害を生じないように調整されたカロリー制限が、加齢を抑制するという基礎研究が知られており、かつ、カロリー制限による生体内の変化が、レスベラトロール投与によっても見出される、というデータがあります。)




さて、今回の研究では、哺乳類において、カロリー制限あるいはレスベラトロールの投与によるインスリン感受性への影響が調べられました。


具体的には、4〜5歳のネズミキツネザル(雄) (Microcebus murinus)を用いて、

・対照群

・カロリー制限群:30%少ないカロリーの投与

・レスベラトロール投与群:200mg/kg/日

の3群に分けて、21ヵ月あるいは33ヵ月の介入が行われています。


(レスベラトロールの用量は、既報2報-- 5.2 mgと400r/kg/dayの中間をとったとしています。)


アウトカムとして、インスリン感受性、血糖値、安静時代謝量などが測定されました



解析の結果、
21ヵ月の時点では、
OGTT(糖負荷)30分後の血糖値について、カロリー制限群が有意に低値であった、という以外は、両群間に変化は認められていません。


33ヵ月の時点では、

カロリー制限群とレスベラトロール投与群の両群とも、

OGTT後の血糖値は低下し、

空腹時のインスリン値は変化していません。



HOMA-IR(インスリン抵抗性指数)では両群ともに有意な変化があり、

33ヵ月の時点で

対照群に比べて、

カロリー制限群では81%の低下

レスベラトロール投与群では53%の低下

が認められたということです。





以上のデータから、

長期的なカロリー制限及びレスベラトロール投与は、

インスリン基礎分泌量に影響を与えることなく、

インスリン抵抗性を改善する、

ことが示唆されます。





今後、レスベラトロール投与による内分泌代謝への影響に関して、臨床的意義の検証が期待されます。





抗加齢医学研究の分野では、長寿遺伝子を活性化する方法の一つとして、
カロリー制限/摂取エネルギー制限が知られています。
(サルを用いて、必要な栄養素を満たしつつ、70%のカロリー制限を長期間行った研究データがよく知られています。


カロリー制限の他、長寿関連遺伝子を活性化する機能性食品成分として、赤ワインに含まれるポリフェノールの1種のレスベラトロールがあります。


ただし、赤ワインの摂取を介してレスベラトロールを摂取するのは(ワイン摂取量が超大量になるので)非現実的であること、また、ヒトがレスベラトロールをサプリメントとして摂取することでアンチエイジング関連効果が得られるのか、といった議論があります。


健康長寿には、カロリー制限(過剰摂取を避けること)と、適切な運動習慣が重要です。

日本でも、腹八分といわれるように、カロリーの過剰摂取は健康維持には好ましくありません。

過食は、活性酸素を過剰に発生させ、慢性炎症に起因する多くの生活習慣病の原因となります。


そこで、ライフスタイルに気を付ける、ということが再認識されるわけですが、一方で、比較的容易にアンチエイジング効果を得られる方法の一つとして、長寿遺伝子を活性化する機能性食品の研究が注目されるようになりました。

この数年、レスベラトロールに関する研究が盛んになり、内分泌代謝性疾患に対する効果など、さまざまな作用が示唆されています。
(ヒトの場合、レスベラトロールで長寿になるかどうかの検証は容易ではありませんが、レスベラトロールの投与によって、メタボリック症候群や糖尿病など、内分泌代謝疾患の改善が期待できるかもしれません。)


現在、レスベラトロールは、抗酸化作用や抗炎症作用を有し、代謝に好影響を及ぼすことから、健康維持や生活習慣病予防からアンチエイジングの分野で注目されています。








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