サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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慢性血液透析患者に対するビタミンD3サプリメントの有用性 [2012年07月22日(日)]
今月の腎臓病学の専門ジャーナル(電子版)に、慢性維持透析(血液透析)患者におけるビタミンD3サプリメントの効果を調べた臨床研究が、米国のグループ(Creighton University)から報告されていました。
(Clin J Am Soc Nephrol. 2012 Jul 12.)




近年の研究によって、ビタミンDによる免疫調節作用や抗がん作用、インフルエンザ予防作用などが見出されてきました。


ビタミンD欠乏は、慢性腎臓病患者において高率に認められます。



例えば、メタ解析では、血中ビタミンD値が10ng/mL(25-nmol/L)低下するごとに、
慢性腎臓病患者の全死亡率が14%増加するという報告
があります。




さて、今回の研究では、慢性維持透析患者におけるビタミンD3サプリメントの動態が検証されました。


具体的には、

ステージ5の慢性腎臓病患者を対象に、

1週間あたり10,333 IUのコレカルシフェロール(ビタミンD3)サプリメント、

あるいは偽薬が、

15週間投与され、

血中ビタミンD値(25-OH-D値)の変化が調べられています。



(2007年11月から2010年3月に実施。ランダム化二重盲検偽薬対照試験)



解析の結果、

まず、投与前の血中ビタミンD値は、

介入群では13.3 (11.1-16.2) ng/ml、

偽薬群では15.2 (10.7-19.9) ng/ml

でした。




15週間のサプリメント投与後、

介入群では、23.6 (19.2-29.9) ng/mlへと増加したのに対して、

偽薬群では、有意な変化は認められていません。





介入群では、カルシトリオールの有意な増加も示されました。



なお、カルシウム、アルブミン、リン、副甲状腺ホルモンについては、両群とも有意な変化は見出されませんでした。





以上のデータから、

慢性維持透析患者では、

1週間あたり10,333 IUのビタミンD3サプリメントの投与によって、

血中ビタミンD値の有意な増加が期待されます。





今後、ビタミンDサプリメントの投与によって、慢性腎臓病の予後が改善するかどうかのRCT等が期待されます。





ビタミンDサプリメントに対する効果には個人差がありますが、

臨床的には、ビタミンDサプリメントを1,000IU/日の用量で投与すると、血中25ヒドロキシビタミンD値が10ng/ml増加する、

という報告もあります。


マルチビタミンのビタミンDはRDAのための設定ですので、別途、ビタミンDサプリメントの利用となります。



近年、ビタミンDの機能性として、免疫調節作用や抗がん作用、インフルエンザ予防作用なども見出されてきました。


また、さまざまな生活習慣病では、血中ビタミンD値が低いことが知られており、健康保持や疾病予防のために、ビタミンDサプリメントの摂取が推奨されます。


(欠乏症の予防ということでは通常の食事からでも補えますが、疾病予防という目的では、1日あたり1,000〜2,000
IUの摂取が必要であり、サプリメントを利用することになります。)



今日では、ビタミンD欠乏症の典型例のような疾患は少ない一方、血中ビタミンDの低値が広く認められることから、生活習慣病の予防やアンチエイジングを目的としたビタミンDサプリメントの利用が推奨されます。


日本人の間でも、ビタミンDの潜在的不足/欠乏が顕著になっています。


たとえば、
日本人妊婦の90%がビタミンD不足


血中ビタミンD値が高いと大腸腺腫リスクが低い

というデータがあります。



DHCでは、ビタミンD3サプリメントを製品化しています。







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