今月の栄養学の専門ジャーナルに、シトルリンの体内動態を検討した臨床研究が、フランスのグループから報告されていました。
(Br J Nutr. 2008 Apr;99(4):855-62.)
シトルリン(L-シトルリン)というのは、スイカ(西瓜)の圧搾汁からみつかったアミノ酸の1種です。
シトルリンの機能として、NO(一酸化窒素)産生促進作用や抗酸化作用が知られています。
さて、今回の研究では、健康な男性8名を対象に、シトルリンを2,5,10,15グラムの用量で経口にて単回投与し、8時間にわたって血中の各種アミノ酸やホルモンの値が測定されました。
その結果、血中アミノ酸では、オルニチンとアルギニンの有意な上昇が示されたということです。
一方、インスリンや成長ホルモンには有意な変動は認められませんでした。
このとき、シトルリンの投与に伴う有害事象は認められていません。
現在、健康食品素材としてのL-シトルリンでは、NO産生を介した血管拡張作用、動脈硬化抑制作用、抗酸化作用、抗疲労・強壮作用といった訴求が行われています。
今後の臨床研究が期待される分野です。
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