今月の栄養学の専門ジャーナルに、バージンオリーブオイルで高脂肪食とした地中海式ダイエットが食後の血管内皮機能維持に有用であるという臨床研究が、スペインのグループから報告されていました。
(Br J Nutr. 2008 Jul;100(1): 159-165)
心血管疾患の発症には、血管内皮機能の障害が関与しています。
そこで、今回の研究は、食事由来の脂質による血管内皮機能への影響を検討する目的で行われました。
健康な男性被験者20名を対象に、3種類の脂質を異なる割合で含む食事を4週間摂取させ、血管内皮機能および炎症に関係する指標が測定されました。
(ランダム化クロスオーバー法)
研究で用いられた食事は、次の3種類です。
(1)平均的な欧米食:飽和脂肪酸の豊富な食事(22 % SFA, 12 % MUFA(単価不飽和脂肪酸),0.4 % アルファリノレン酸;各エネルギー比)
(2)地中海式ダイエット:オリーブオイルなどMUFAの豊富な食事(< 10 % SFA, 24 % MUFA, 0.4 % ALA)
(3)ALA強化低脂肪食:ALAを添加した低脂肪食( < 10 % SFA, 12 % MUFA,2 % ALA)
血中の脂質代謝、血管内皮機能関連マーカーなどが測定された結果、(1)や(3)に比べて、(2)のオリーブオイルなどが豊富な地中海式ダイエットを摂取した場合に、血管内皮機能が良好に保たれていることが示されました。
以上のデータから、欧米の典型的な高脂肪食、あるいは低脂肪食と比べて、地中海式ダイエットでは、食後の血管機能を維持することにより、心血管疾患を予防する効果が期待されます。
|
ちょっと意外な感じですね。
わたしは普段、油はほとんどオリーブオイルしか使わないので、この報告は何だかうれしい気がしました。