栄養学の専門誌に、アガリクスによる前立腺がん細胞抑制作用を示した基礎研究が、台湾のグループから報告されていました。
(J Nutr Biochem. 2008 Oct 14. PMID: 18926679)
アガリクス(学名Agaricus blazei Murill)は、抗がん作用が期待されるサプリメントの一つです。
多くの基礎研究において抗がん作用が示されてきました。
予備的な臨床研究では、がん患者におけるQOLの改善、2型糖尿病の改善といった働きが報告されています。
今回の研究では、ヒト前立腺がん細胞を用いて、アガリクスの作用が検討されました。
まず、アンドロゲン依存性および非依存性のヒト前立腺がん細胞(PC3)系3種類を対象に検討した結果、アガリクス抽出物によってアポトーシスに関与するタンパク質の発現増加が認められました。
さらに、PC3がん細胞を移植したマウスにアガリクス抽出物を経口投与したところ、がん細胞の増殖が有意に抑制されたということです。
以上のデータから、論文著者らは、アガリクスがアポトーシスを誘導することで前立腺がん抑制作用を示すと考察しています。
今後、臨床研究による検証が期待される分野です。
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