今月のゲノム研究の専門誌に、エキナセアの免疫調節作用に関するゲノム/プロテオーム解析を行った研究が報告されていました。
(BMC Genomics. 2008 Oct 13;9(1):479.)
エキナセアは、北米原産のハーブで、免疫賦活作用を有しており、風邪の予防や罹病期間短縮目的で頻用されるサプリメントの成分です。
今回の研究では、ヒト樹状細胞におけるエキナセア抽出物の働きが解析されています。
(樹状細胞は、抗原提示細胞として知られており、免疫系に関与します。)
DNAマイクロアレイ解析では、IL-8やIL-1β、IL-18といったサイトカイン類、およびCXCL 2やCCL 5などのケモカイン類の遺伝子発現の有意な増加が認められました。
また、プロテオーム解析では、抗酸化作用や細胞骨格に関与するタンパク質の増加が示されています。
エキナセアの免疫賦活作用は、多くのランダム化比較試験によって報告されていますが、詳細な分子メカニズムはまだよくわかっていません。
今後、Omics研究を介した作用機序の解明が期待される分野です。
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