脳での虚血再灌流時において、イチョウ葉エキスによる神経細胞保護作用を示した基礎研究が報告されていました。
(Stroke. 2008 Oct 9. PMID: 18845796)
イチョウ葉エキスは、循環改善作用を有し、認知機能の低下を抑制するサプリメントとして広く利用されています。
イチョウ葉エキス標準化サプリメント(EGb761)では、酸化障害に対する神経保護作用も示唆されていますが、詳細な作用機序は十分に解明されていません。
そこで、今回の研究では、モデル動物を用いて、虚血による酸化障害に対するイチョウ葉エキスサプリメントの効果が検討されました。
野生型とHO-1(ヘムオキシゲナーゼheme oxygenase 1)ノックアウトマウスの虚血再灌流モデルにおいて、イチョウ葉エキスの効果が検討された結果、EGb761による神経保護作用が認められました。
(ヘムオキシゲナーゼは、酸化障害などのストレスで誘導される酵素です。)
一方、この効果は、HO-1ノックアウトマウスでは消失したことから、ヘムオキシゲナーゼを介した作用であることが示唆されます。
その他、培養細胞系では、EGb761が用量依存的・時間依存的にヘムオキシゲナーゼを誘導することが明らかになりました。
以上のデータから、イチョウ葉エキスの作用メカニズムとして、ヘムオキシゲナーゼを介した経路の存在が示唆されます。
|