今月の細胞生物学の専門ジャーナルに,ノニによる抗がん作用を示した基礎研究が報告されていました。
(
Cell Biochem Funct. 2009 Dec;27(8):542-546.)
ノニ(学名モリンダ・シトリフォリア,
Morinda citrifolia)は,東南アジア原産で,果実が可食部です。
本邦でも沖縄・八重山諸島等に自生し,和名はヤエヤマアオキといいます。
ノニは,その果実や根,葉が薬用として,ポリネシア諸島の国々における伝統医療において,鎮痛消炎作用など種々の効果をもつ万能薬として用いられてきました。
近年,ノニの果実に由来するサプリメントが,生活習慣病を予防する機能性食品として注目されています。
今回の研究では,担がんモデル動物を用いて,ノニの抗がん作用が検証されました。
具体的には,エールリッヒ腹水がんマウスを対象に,
1.ノニ単独投与群(n=8)
2.ドキソルビシン(抗がん剤)単独投与群(n=8)
3.ノニ+ドキソルビシン併用群(n=8)
4.対照群(n=7)
に4群について14日間,介入試験が行われています。
介入の結果,対照群に比べて,腫瘍サイズの縮小が認められました。
この抗腫瘍作用の機序は,アポトーシス細胞検出法(TUNEL)による解析の結果,アポトーシス誘導によるものであるということです。
論文著者らは,ノニの単独投与あるいはドキソルビシンとの併用による補完療法としての抗がん作用が示唆されると考察しています。
ノニについては臨床研究が十分ではありませんので,今後,臨床的意義の解明が期待されます。
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