今月の分子栄養学の専門ジャーナル(電子版)に,還元型CoQ10(コエンザイムQ10)の効果を示した基礎研究が報告されていました。
(
Mol Nutr Food Res. 2009 Dec 3)
コエンザイムQ10は,生活習慣病の予防やアンチエイジングに広く利用されている機能性食品成分です。
これまで,コエンザイムQ10サプリメントは,酸化型が一般的でしたが,最近では
還元型も製品化されるようになりました。
還元型のほうが,酸化型よりも効率よく利用されると推測されます。
さて今回の研究では,老化促進モデルマウス(SAMP1)を用いて,還元型CoQ10サプリメントの効果が検証されました。
具体的には,還元型CoQ10を500mg/kg体重/日の用量で,6ヶ月あるいは14ヶ月投与し,ゲノムワイドな解析が主要な臓器にて行われています。
解析の結果,コエンザイムQ10の主な標的臓器は,肝臓であり,腎臓,心臓,脳と続くことが見出されました。
酸化型CoQ10と比べて,還元型CoQ10は,遺伝子発現に対してより強い作用を示し,それはアベイラビリティの差によるということです。
還元型CoQ10投与に感受性のある遺伝子として,コレステロール合成に関連する遺伝子(HMGCS1,HMGCL,HMGCR)や脂質代謝に関連する遺伝子(FABP5,PLTP),炎症に関連する遺伝子(STAT-1)があげられています。
今後,臨床的意義の解明が期待される分野です。
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