今月の植物療法学の専門ジャーナル(電子版)に,オリーブオレユロペンによる紫外線障害予防作用を示した基礎研究が,愛媛大学のグループから報告されていました。
(
Phytother Res. 2009 Dec 2.)
オリーブリーフ(オリーブ葉)には,ファイトケミカルの1種であるオレユロペンが含まれており,抗酸化作用などを介した機能性が知られています。
そこで,
オレユロペンを主成分とするオリーブ葉抽出物含有サプリメントが製品化されています。
さて,今回の研究では,紫外線(UVB)への曝露によって生じる皮膚障害に対するオレユロペンの効果が検証されました。
具体的には,C57BL/6Jマウスを対象に,オリーブ葉抽出物(300 or 1000 mg/kg体重),あるいはオレユロペン(25 or 85 mg/kg体重)が1日2回,14日間経口投与され,UVBが120 mJ/cm2の用量にて最初の5日間連続照射,次の9日間は隔日照射されています。
その結果,いずれの投与群でも紫外線照射による皮膚肥厚の抑制が認められたということです。
また,酸化ストレス障害抑制(8OHdG陽性細胞数増加の抑制),メラニン顆粒の抑制,MMP-13発現の抑制といった効果も認められています。
オレユロペンによる皮膚障害抑制作用のメカニズムとして,真皮における細胞外マトリックス崩壊抑制,MMP-13発現増加阻害による表皮細胞増殖抑制,紫外線曝露によって生じうる活性酸素の抑制といった作用が考察されています。
今後,臨床的意義の検証が期待される分野です。
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