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紅麹とスタチン剤の比較 [2010年02月24日(水)]
循環器病学の専門ジャーナルに,脂質異常症に対する紅麹とスタチン剤の有効性と認容性を比較した臨床研究が,米国のグループ(University of Pennsylvania)から報告されていました。
(Am J Cardiol. 2010;105:198-204.)



高LDLコレステロール血症などの脂質異常症に対しては,コレステロール合成阻害剤であるスタチン剤が,医薬品として広く利用されています。


しかし,現時点では,スタチンによる筋痛症を発症した脂質異常症患者に対する投薬治療は,必ずしもコンセンサスが得られているわけではありません。



一方,機能性食品素材/サプリメントを用いた脂質異常症対策としては,紅麹が有効であり,かつ,スタチン剤と比べて副作用が少ないことが示唆されてきました。


最近では,横紋筋融解症の副作用でスタチン剤が投与できない場合でも,紅麹が安全に投与できるという臨床研究が報告されています。



そこで,今回の研究では,紅麹とプラバスタチン(HMG-CoA還元酵素阻害剤/スタチン剤)の認容性が検証されました。


具体的には,筋痛症の副作用のためにスタチン剤を中止した既往歴のある脂質異常症患者43名の成人を対象に,紅麹4,800mg(分2)あるいはプラバスタチン40mg(分2)のいずれかが12週間,投与されています。

(ランダム化比較試験。12週間のライフスタイル改善プログラムも併用。)



主アウトカムは筋痛症や疼痛スコアによる治療の中止であり,副アウトカムは筋力や血中脂質とされました。



介入試験の結果,筋痛症により投与を中止した被験者は,紅麹投与群では21名中1名(5%)であり,プラバスタチン投与群では22名中2名(9%)でした。(有意差なし)


副アウトカムである筋力や疼痛の重症度について,両群間で有意差は認められていません。


LDLコレステロール値は,紅麹投与群では30%低下,プラバスタチン投与群では27%低下しています。



以上のデータから,論文著者らは,紅麹は,プラバスタチンと同様の認容性を有し,スタチン不耐症の脂質代謝改善に有用であると考察しています。




スタチン剤は,コレステロールの合成を阻害する過程で,内在性コエンザイムQ10の合成も阻害します。


スタチン剤による横紋筋融解症の発症メカニズムとして,ミトコンドリアにおけるコエンザイムQ10の低下が想定されます。


そこで,統合医療による脂質異常症へのアプローチとしては,紅麹の単独投与よりは,コエンザイムQ10との併用が好ましいと考えられます。


特に,筋痛症/横紋筋融解症の症状でスタチン剤を中止した場合,紅麹を単独で開始するのではなく,まず,コエンザイムQ10の投与を行い,その後で,紅麹を追加するべきと考えます。





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医療関係者のための健康食品情報サイト【DHCサプリメント研究所】
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コメント
うーん、コエンザイムとですか。
勉強になります。
Posted by:紅麹  at 2010年07月25日(日) 04:31


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