栄養学の専門ジャーナルに,大豆摂取による脂質代謝への影響を検討した臨床研究が,米国(University of Alabama)のグループから報告されていました。
(
Am J Obstet Gynecol. 2010 Apr 30.)
今回の研究では,閉経後の白人および黒人女性39名を対象に,大豆摂取による脂質代謝,糖代謝,炎症関連指標への影響が,ランダム化二重盲検偽薬対照試験により検討されています。
被験者のうち33名が3ヶ月間の介入試験を完了し,各種指標が測定された結果,大豆摂取群において,体脂肪および皮下脂肪量の減少,IL-6の低下が認められました。
一方,糖代謝の指標やCRP,TNF-α,レプチン,アディポネクチンの値には有意差は認められていません。
体脂肪の減少に関して,白人女性では皮下脂肪量および腹部脂肪量の減少,黒人女性では総脂肪量の減少が示されたということです。
大豆の機能性としては,イソフラボンに由来する女性ホルモン様作用がよく知られています。
具体的には,更年期症状の緩和,乳がんリスクの低減などです。
今回のデータは,(日常生活では大豆製品の摂取が多くないと考えられる)白人および黒人女性を対象にした研究にて得られたものです。
今後,人種差(遺伝素因の差)を考慮しても,(つまりアジア人の女性を対象にした研究でも)同様の作用が得られるかどうか,あるいは,日常的に大豆製品を窃取するライフスタイルでも有意差が認められるかどうか,検証が必要です。
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