疼痛研究の専門ジャーナル(電子版)に,ショウガ摂取による筋肉痛改善作用を示した臨床研究が,米国(Georgia College and State University)のグループから報告されていました。
(
J Pain. 2010 Apr 23.)
ショウガは,冷え対策の機能性食品素材として,
サプリメントなどにも利用されています。
補完代替医療分野では,妊娠時のつわり対策にも用いられます。
その他,ショウガによる抗炎症作用が知られており,筋肉痛に対する改善作用が想定されます。
(基礎研究では,ショウガの抗炎症作用が示されており,熱処理によって疼痛軽減効果が増強されることも見出されています。)
そこで,今回の研究では,ショウガの筋肉痛に対する効果を検討する目的で,
(1)生のショウガ
(2)加熱処理したショウガ
の2種類について,ランダム化二重盲検偽薬対照試験として,それぞれ34名と40名の被験者に11日間,投与する介入試験が行われました。
(1)あるいは(2)のショウガ投与群では1日あたり2グラムのショウガ,対照群では偽薬が11日間連続で投与され,被験者には,伸張性筋活動の負荷による筋肉痛と炎症が誘導されています。
疼痛および炎症関連指標が,運動負荷前と,運動負荷の3日後に評価された結果,
偽薬群に比べて,ショウガ投与群では(生ショウガあるいは加熱ショウガのいずれの群でも),運動負荷24時間後の時点で,疼痛軽減効果が認められたということです。
・生ショウガ投与群:25%, -.78 SD, P = .041
・加熱ショウガ投与群:23%, -.57 SD, P = .049
炎症関連指標でも,同様の効果が認められた一方,生ショウガと加熱ショウガとの間には有意な差は示されていません。
以上のデータから,ショウガの摂取は,運動に伴って生じる炎症や疼痛の軽減作用を示すと考えられます。
アスリート以外の適応として,例えば関節症や関節炎に対する補完療法としての検証も期待されます。
------------------------------------------------------------------
医療関係者のための健康食品情報サイト【DHCサプリメント研究所】
------------------------------------------------------------------