各種の植物エストロゲン類およびブラックコホシュによる乳腺組織への作用を調べた基礎研究が、ドイツのグループから報告されていました。
(Pl Med 74:2008;953, PA59)。
大豆やレッドクローバーといった植物には、女性ホルモンのエストロゲン様作用を有する成分・イソフラボン類が存在します。
具体的には、ダイゼインやゲニステイン、代謝物のイコールが知られています。
植物エストロゲン類を含む成分は、女性特有の症状に対するサプリメントとして用いられています。
女性向けのサプリメント成分では、ブラックコホシュも利用されます。
ただし、ブラックコホシュには、イソフラボン類は含まれていません。
さて、今回の研究では、更年期障害モデル動物(ラット)を用いて、イソフラボン類およびブラックコホシュ抽出物による乳腺組織への作用が検討されました。
ゲニステイン(15.5mg/日)、ダイゼイン(15.8mg/日)、イコール(15.8mg/日)、ブラックコホシュ抽出物(30.0mg/日)がそれぞれ3ヶ月間投与され、乳腺組織における形態学的な変化が調べられています。
(対照群には、大豆フリー食あるいはエストラジオール投与が行われています。)
その結果、乳腺組織の変化は、ゲニステイン、ダイゼイン、イコールの順に強く認められており、ブラックコホシュでは示されませんでした。
以上のデータから、女性ホルモン様作用を有するイソフラボン類は乳腺組織にも作用することが示されたことになります。
なお、ブラックコホシュは、女性の更年期障害に対して広く利用されていますが、作用メカニズムはイソフラボン類とは異なると考えられます。
|
ハーブチンキを良く飲むのですが、
イソフラボン系でない
作用なんですか。
大変参考になりました。