今月の栄養学のジャーナルに、単価不飽和脂肪酸の豊富な食事による動脈硬化抑制作用を示唆した臨床研究が、スペインのグループから報告されていました。
(Br J Nutr. 2008 Sep;100(3):569-75.)
動脈硬化の一因として、マクロファージが、血中の酸化LDLコレステロールを取り込むメカニズムが知られています。
今回の研究では、マクロファージによる酸化LDLの取り込みや、LDLの酸化感受性に対して、食事由来の脂質がどのように影響を及ぼすか、検討されました。
健康な男性20名を対象に、3種類の食事を各4週間投与するランダム化クロスオーバー法にて実施されています。
1.高飽和脂肪酸食:脂質エネルギー比38%、飽和脂肪酸20%、
2.高炭水化物食:脂質エネルギー比30%、飽和脂肪酸10%未満、炭水化物55%、
3.高オリーブオイル食:脂質エネルギー比38%、単価不飽和脂肪酸22%
以上の3種類による臨床試験の結果、LDLの酸化感受性や酸化LDLの取り込みといった動脈硬化に関連する指標において、高オリーブオイル食がもっとも好ましいデータが示されています。
(酸化に対する抵抗性、酸化LDL取り込みといったデータ。)
今回のデータから、単価不飽和脂肪酸の豊富な食事は、動脈硬化予防という効果が期待できると考えられます。
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