サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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サプリメントについての研修医の知識 [2008年09月16日(火)]
「レジデント(研修医)はサプリメントについての知識が十分とはいえない」という研究結果が、米国ジョンズホプキンス大学のグループから発表されていました。
South Med J. 2008 Sep 9.)


これまでに、多くの調査研究によって、消費者の間でさまざまなサプリメントや各種の補完代替医療が広く利用されていることが報告されてきました。


今回の研究では、現在の医学教育を修了したレジデント(研修医)を対象に、サプリメントについての基本的な知識が調査されています。

米国の15の研修プログラムに参加した335名の医師を対象に、2006年3月から6月の間に調査が行われました。

その結果、サプリメントについての基本的な知識が十分ではない、というデータが得られています。
(調査では結果が数値化されており、59.7%というスコアでした。)



例えば、一般に広く利用されているハーブサプリメントについての知識では、3分の1以上の研修医が、ノコギリヤシやブラックコホシュの摂取目的を知らないと回答しています。


また、安全性や医薬品との相互作用についての基本的な知識も十分ではなく、例えば、セントジョーンズワート(抗うつ作用のあるハーブ)がシクロスポリン(免疫抑制剤)の血中濃度を低下させることを知っているのは15%しかいなかった、ということです。

その他、魚油やカバに対する知識も不足しているというデータになっています。



この研究では、サプリメントの知識を伝えるためのプログラムも提供しており、そのプログラム終了後には、基本的な知識の習得が認められた、と報告されています。


論文著者らは、レジデント/研修医のサプリメントに関する知識は十分ではなく、卒後教育プログラムにサプリメントの情報提供を取り入れることで、患者・医師関係におけるコミュニケーションの向上に有用であると結論づけています。


日本の医学教育でも、(必須カリキュラムに該当する科目がないために)サプリメント/健康食品についての教育は行われておらず、医師国家試験にも出題されません。

(ドイツではハーブサプリメント成分について、医師国家試験に出題されます。)


そのため、日本でも医師や研修医の間では、サプリメント/健康食品に関する知識が十分ではないことが推測されます。


各分野の専門知識は日々、膨大になりつつあるので、サプリメントの情報を必須カリキュラムに組み入れることは容易ではありません。


しかし、少なくとも卒後研修プログラムやプライマリーケア領域では、サプリメントの適正使用についての情報提供が行われる必要性があると考えられます。
posted at 23:56 | この記事のURL
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