サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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セントジョーンズワートによる抗ストレス作用 [2008年08月31日(日)]
セントジョーンズワートによる抗ストレス作用を示した基礎研究が、米国とドイツのグループから報告されていました。
(Pl Med 74:2008;935, SL110)。


セントジョーンズワートは、うつ病に対して用いられるハーブです。

多くのヒト臨床試験によって、軽症から中等度のうつ病に対する効果が示されています。


一般に、慢性的なストレスは、不安やうつの一因と考えられることから、今回の研究では、セントジョーンズワートによる抗ストレス作用が検討されました。

ストレス負荷モデル動物を用いて、体内の抗酸化活性や炎症マーカーが測定された結果、セントジョーンズワートあるいはSSRI(抗うつ剤)による作用が認められています。

実験では、抗ストレスホルモンの変化やIL-6といった炎症マーカーの変動と、セントジョーンズワートの投与との関連が示されました。


今後、ヒト臨床研究による作用機序の解明が期待されます。
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コショウによる抗ストレス作用 [2008年08月30日(土)]
ヒハツによる抗ストレス作用を示した基礎研究が、インドの大学から報告されていました。
(Pl Med 74:2008;1000, PA244)


インド原産のコショウ科の植物に、ナガコショウ(学名Piperaceae longum、別名ロングペッパー、インドナガコショウ)があります。

ナガコショウの熟した果穂をヒハツといい、サプリメント成分にも利用されています。


今回の研究では、モデル動物を用いて、ヒハツによる抗ストレス作用や抗けいれん作用が検討されました。

ヒハツ抽出物を250mgあるいは500mg/kg体重の用量にて経口投与したところ、抗ストレス作用および抗けいれん作用が認められたということです。


有効成分として、辛味成分のピペリンpiperine,piperlongmine,piperlongminine
等が知られています。

ヒハツを含むサプリメントは、冷え性の改善、循環血流改善、健胃作用を目的として利用されます。

今後、臨床研究の進展が期待される分野です。
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オレユロペンの抗がん作用 [2008年08月29日(金)]
オレユロペンによる抗がん作用のメカニズムを検討した基礎研究が、ギリシャのグループから報告されていました。
(Pl Med 74:2008;1000, PA243)。


オレユロペンは、オリーブオイルやオリーブリーフに含まれるポリフェノールの1種です。

これまでの研究において、オレユロペンの抗酸化作用や抗がん作用が示されてきました。


今回の研究では、乳がん細胞の実験系を用いて、オレユロペンの作用メカニズムが検討されています。

ER(+)とER(-)の2種類の乳がん細胞系およびMCF-10Aによる解析の結果、DNA障害や細胞増殖抑制による抗がん作用が認められたということです。

論文著者らは、オリーブポリフェノールによる抗がん作用を示し、オリーブ産物の有効利用の可能性を述べています。

今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。
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紅景天の作用メカニズム [2008年08月28日(木)]
紅景天(こうけいてん)の作用メカニズムに関する基礎研究が、スイスのグループから報告されていました。
(Pl Med 74:2008, pp989, PA202)

紅景天(学名Rhodiola rosea、ロディオラ)は、精神的・身体的な機能の維持に働き、抗疲労作用・抗ストレス作用を示す生薬として用いられてきました。


今回の研究は、紅景天による精神的作用のメカニズムを解析する目的で行われ、各種の神経伝達物質の代謝への働きが解析されています。

その結果、アセチルコリンエステラーゼ阻害活性およびMAO阻害活性が認められたということです。

また、9種類の成分が同定されました。


紅景天は、アダプトゲンとして作用する生薬ですので、複雑な作用メカニズムの存在が考えられます。

今後の研究の進展が期待される分野です。
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プエラリア・ミリフィカによる血管弛緩作用 [2008年08月27日(水)]
プエラリア・ミリフィカによる血管弛緩作用(血管拡張作用)を示した基礎研究が、タイの大学の研究グループから報告されていました。
((Pl Med 74:2008, pp978, PA157)


プエラリア・ミリフィカ(White Kwao Krua, 学名Pueraria mirifica)は、タイの民間医療で用いられてきた生薬です。

有効成分として、プエラリンなどのファイトケミカル類が含まれており、エストロゲン様作用による効果が示唆されています。


今回の研究では、ラットの血管に対するプエラリア・ミリフィカ抽出物(含プエラリン)の作用が検討された結果、血管弛緩作用が認められたということです。

(実験は、プエラリンの濃度を何種類かに分けて実施されています。)


一般に、プエラリア・ミリフィカは、そのエストロゲン作用が注目されており、更年期症状の改善や女性の美容目的に利用されています。


今回の研究は、血管機能に対する働きを示したことで意義があると考えられます。
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ココアによる肥満者の血管機能改善作用 [2008年08月26日(火)]
今月の肥満研究の専門誌に、肥満者におけるココアの血管機能改善作用を示したヒト臨床研究が、オーストラリアのグループから報告されていました。
(Int J Obes (Lond). 2008 Aug;32(8):1289-96.)


これまでの研究によって、ココア由来のフラボノイド類が血管内皮機能を改善することが報告されてきました。


今回の研究では、肥満者49名(男性18名、女性31名)を対象に、高フラボノイド(902mg)投与群、高フラボノイド+運動実施群、低フラボノイド(36mg)投与群、低フラボノイド+運動実施群の4群について、比較検討されています。


12週間の投与前後にて、上腕動脈の血流依存性血管拡張能(FMD)、血圧、インスリン感受性といった指標が比較された結果、高フラボノイド投与群では、低フラボノイド投与群に比べて、FMDの増加、拡張期血圧の低下、インスリン抵抗性の改善が認められています。

運動併用群では、脂肪酸化の増加と体脂肪の減少が示されました。

なお、フラボノイドによる働きは、運動とは独立した作用として認められており、併用群における促進作用は示されていません。



以上のデータから、肥満者において、ココア由来のフラボノイドによる血管内皮機能の改善作用が期待されます。
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アスタキサンチンによる男性更年期予防作用 [2008年08月25日(月)]
今月のスポーツ栄養学の専門誌に、アスタキサンチンによる男性更年期改善作用を示唆したヒト臨床研究が報告されていました。
(J Int Soc Sports Nutr. 2008 Aug 12;5(1):12.)


男性では、加齢に伴う内因性テストステロンの減少が、筋肉の減少や生理機能の低下をもたらし、男性更年期の諸症状の一因と考えられています。

一方、医薬品やサプリメントでは、男性ホルモンの調節に関与する5α-還元酵素活性を阻害する成分が知られています。

この阻害作用によって、血中テストステロンの増加やジヒドロテストステロンの減少といった働きが期待できます。

サプリメントの成分では、アスタキサンチンやノコギリヤシがこの作用を有しています。



さて、今回の研究では、アスタキサンチンとノコギリヤシの複合剤による性ホルモンへの調節作用が検討されています。

具体的には、37歳から70歳までの健康な男性42名が2群に分けられ、アスタキサンチンとノコギリヤシの複合剤が、1日あたり800mgあるいは2000mgの用量にて12日間投与されました。

その結果、投与前値に比べて、血中テストステロン値の増加、ジヒドロテストステロンの低下が認められたということです。



以上のデータから、アスタキサンチンとノコギリヤシの併用投与によるホルモン調節作用が示唆され、男性更年期症状に対する効果が期待されます。


アスタキサンチンノコギリヤシも、それぞれサプリメントとして製品化されています。



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日本病院薬剤師会学術大会@甲府 [2008年08月24日(日)]
本日、日本病院薬剤師会 関東ブロック第38回学術大会への参加のために、甲府に行ってきました。


大会ではDHC協賛のランチョンセミナーが開催され、「サプリメント・健康食品の適正使用を考える」と題したプレゼンをさせていただきました。

いくつかあるセミナーの中で、DHC協賛ランチョンを選んで出席していただいた薬剤師の方々に感謝申し上げます。


また、展示ブースやランチョンセミナーに関わったスタッフの方々にもお礼申し上げます。
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魚油が加齢黄斑変性症を防ぐ [2008年08月23日(土)]
今月の栄養学の専門ジャーナルに、魚類の摂取によって加齢黄斑変性症のリスクが半減するという調査研究が、ヨーロッパのグループから発表されていました。
(Am J Clin Nutr 2008 88: 398-406.)


加齢黄斑変性症(Age-related Macular Degeneration:AMD)とは、網膜の黄斑部が老化によって異常を生じ、視力障害を来す疾患です。

DHAやEPAといったオメガ3系脂肪酸は、抗酸化作用・抗炎症作用を有し、加齢黄斑変性症を予防する働きが考えられます。


今回の研究では、オメガ3系脂肪酸を豊富に含む魚類の摂取と、加齢黄斑変性症(AMD)のリスクとの関係が検討されています。


65歳以上を対象に、眼底検査と食事摂取調査が行われ、105例のAMDと、2170例の対照が比較された結果、脂質の豊富な魚類を1週間に1回以上摂取する群では、1週間に1回未満の群に比べて、AMDの発症リスクが半分に低下することが示されました。
(OR = 0.47; 95% CI: 0.33, 0.68; P = 0.002)


脂質の多い魚類の摂取が増えるに従って、AMDリスクの有意な低下が認められています。

魚類に由来するDHAあるいはEPAの摂取量が最も少ない群(4分位数で最少群)に比べて、最も多い群では、AMDの発症リスクが顕著に低下していました。
(DHAでは68%低下、EPAでは71%低下。)


以上のデータから、オメガ3系脂肪酸の豊富な魚類の摂取による、加齢黄斑変性症の予防効果が期待できます。



オメガ3系脂肪酸は、青魚に多く含まれる他、フィッシュオイルといったサプリメントを利用することもできます。

加齢黄斑変性症を予防するサプリメント成分として、カロテノイド類の1種、ルテインも知られています。
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母乳が高脂血症を防ぐ [2008年08月22日(金)]
今月の栄養学の専門ジャーナルに、母乳と成人後のコレステロール値の関係について検討した研究がイギリスのグループから報告されていました。
(Am J Clin Nutr. 2008 Aug;88(2):305-14.)


これまでの研究によって、乳児期の授乳が、コレステロール代謝に影響を及ぼすことが知られています。

今回の研究は、母乳による授乳と、成人期の血中コレステロール値との関係を明らかにする目的で実施されました。


既報17報の合計17,498名(内訳は母乳群が12,890名、フォーミュラ群が4,608名)を対象に解析が行われた結果、フォーミュラ乳摂取群に比べて、母乳摂取群において、血中総コレステロール値が有意に低いことが示されました(–0.04 mmol/L, P = 0.037)。

(なお、データは、BMIや喫煙、SES等で補正されています。)

この差異は、母乳のみを摂取した群(母乳のみで育てられた群)において、より顕著であったということです。


以上のデータから、母乳の摂取(授乳)と、成人期における総コレステロール値の低下との間に有意な相関があると考えられます。


母乳が脂質代謝に影響を与え、成人期の脂質異常症(高脂血症)を抑制することを示す、興味深い研究です。

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オリーブ葉の有効成分 [2008年08月21日(木)]
オリーブリーフ(オリーブ葉)の主要成分の働きに関する基礎研究が、ドイツのグループから報告されていました。
(Pl Med 74;929:2008, SL93)


南欧の民間療法では、オリーブ葉が心血管疾患に用いられてきました。

オリーブ葉は、抗酸化作用を有することから、動脈硬化性疾患などの生活習慣病予防作用が期待されており、現在、サプリメントにも利用されています。


今回の研究では、市販のオリーブ葉抽出物製品を用いて、オレユロペンやチロソール、ヒドロキシチロソール、アピゲニン、ルテオリンといった成分について分析が行われています。

心筋に対する薬理作用が検討された結果、用量依存的に左室収縮機能の抑制と心拍数の低下、冠血流の増加が認められたということです。

また、細胞レベルの機序として、voltage clampによるカルシウムチャネルの抑制といった作用も示されています。


今回のデータは、オリーブ葉による心臓疾患予防作用を示唆する基礎研究です。

今後、臨床的意義の検討が期待される分野と思われます。


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ビタミンDと減量効果 [2008年08月20日(水)]
今月の栄養学の専門ジャーナルに、低カロリーダイエットによる減量効果にビタミンDが関係するという研究が、スペインのグループから報告されていました。
(Br J Nutr. 2008 Aug;100(2):269-72.)


今回の研究では、20〜35歳の肥満女性60名を対象に、低カロリー食を2週間摂取させ、試験開始時のビタミンD値が体重減少効果に関係するかどうか、検討されています。

用いられた低カロリー食は、野菜の量を増やしたパターンと、朝食シリアルの量を増やしたパターンの2種類です。

ビタミンD値については、血中25-ヒドロキシビタミンD(25(OH)D)値が50nmol/L未満の群と、50nmol/L以上の群とで比較されました。


低カロリー食摂取の結果、すべての群において摂取エネルギーの低下、体重およびBMIの低下が認められています。

このとき、ビタミンDが高値(50nmol/L以上)の女性では、低値の女性に比べて、体脂肪量の減少幅が大きいことが示されました。(1.7±1.8 kg vs. 0.5±0.8kg)

十分なビタミンD値が試験期間中の体脂肪減少に有意に寄与するという関係が認められています(p<0.001)

なお、サブグループ間の解析によると、この傾向はシリアル群において顕著になっています。


以上のデータから、低カロリー食(低エネルギー食)による減量効果を得るためには、十分なビタミンDも重要であることが示唆されます。



ビタミンDは腸管でのカルシウム吸収を促進する作用があります。

カルシウムが体脂肪・体重減少効果を示すという臨床研究が知られています。

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ココアによる認知機能改善作用 [2008年08月19日(火)]
カカオポリフェノールによる認知機能改善作用を示したヒト臨床研究が、オーストラリアのグループから報告されていました。
(Pl Med 74;929:2008,SL91)


ココアやチョコレートには、カカオ由来のポリフェノールが含まれており、抗酸化作用による健康増進・疾病予防効果が示されています。

これまでの研究では、カカオポリフェノールによる血流改善作用や血管拡張作用が知られています。

血流改善作用を有するハーブでは認知機能改善作用が示唆されていることから、同様の働きがカカオポリフェノールにも認められるかどうか、検討されました。


今回の研究では、健康な成人30名を対象に、520mgあるいは993mgのフラボノイド、あるいは対照を含むココア飲料が投与され、その前後において、RVIPやSTAIといった指標が測定されています。

(二重盲検ランダム化偽薬対照クロスオーバー法による単回投与での検討です。)


その結果、カカオ由来のフラボノイド(ポリフェノール)投与群では、認知機能や精神疲労、不安に関する指標において改善(あるいは低下の抑制)が認められました。

測定された一連の指標では、520mgの投与において十分な効果が示されたということです。



以上のデータから、カカオポリフェノールによる認知機能改善作用が示唆されます。






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植物ステロールによるコレステロール低下作用 [2008年08月18日(月)]
植物ステロールによる脂質異常症(高脂血症)改善作用を示したヒト臨床研究が、台湾のグループから報告されていました。
(Pl Med 74;928:2008, SL87)


植物ステロールは、コレステロール低下作用を有する植物由来の成分として知られており、サプリメントにも利用されています。


今回の研究では、血清総コレステロール値が200mg/dL以上の被験者44名を対象に、1日あたり1.8グラムの植物ステロールを含むミルク製品が10週間投与されました。

その結果、前値に比べて、植物ステロール投与開始2週間後から、コレステロール値が15%以上、有意に低下しました。

また、この効果は、投与終了後、3週間経過した時点でも認められています。

このとき、LDLコレステロールも顕著に低下したということです。



一般に、植物ステロールの作用メカニズムは、コレステロール吸収阻害によると考えられています。


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テアニンとカフェインのシナジー [2008年08月17日(日)]
今月の栄養学の専門ジャーナルに、テアニンとカフェインによる認知機能への働きに関する研究が、米国のグループから報告されていました。
(J. Nutr. 2008 138: 1572S-1577S.)



近年の研究によって、緑茶の持つ神経薬理作用が示されてきました。

緑茶の有効成分であるテアニンやカフェインの働きが知られています。


今回の研究では、100mgのテアニンあるいは50mgのカフェインのいずれかの単独投与、あるいはテアニンとカフェインの併用投与、それと偽薬が4日間投与され、認知機能が測定されました。


その結果、偽薬群に比べて、併用投与群では、認知機能の改善作用が認められています。



この作用は、(以前の研究で示された)テアニンの高用量単独投与時と同様であったということです。

一方、単独投与群では明確な働きは示されていません。


以上のデータから、テアニンとカフェインによる中枢神経系へのシナジーが示唆されます。
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緑茶の抗酸化作用 [2008年08月16日(土)]
今月の栄養学の専門ジャーナルに、緑茶による抗酸化作用を示した臨床研究が、米国のグループから報告されていました。
J. Nutr. 2008 138: 1567S-1571S.)


緑茶にはファイトケミカルの1種であるカテキンが含まれており、抗酸化作用を示します。

今回の研究は、酸化障害を生じるリスクである喫煙に対して、感受性の異なる遺伝子変異タイプ別(GSTM1とhOGG1)に、緑茶による抗酸化作用が検討されました。

研究では、カフェイン抜きの緑茶、紅茶あるいは水(対照)を投与した喫煙者3群を対象に、酸化ストレスの指標として、尿中8-OHgGが測定されました。


その結果、緑茶摂取による有意な抗酸化作用が認められたということです。

この作用は、hOGG1 のタイプに関わりなく、すべてのGSTM-1陽性喫煙者において、有意な効果でした。

このデータから、喫煙者における酸化障害を緑茶が減少させることが示唆されます。

論文著者らは、1日あたり4杯(960mL)が、実行可能で安全な緑茶の摂取量と推定しています。
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ケルセチンの体内動態 [2008年08月15日(金)]
今月の栄養学の専門ジャーナルに、ケルセチンの体内動態を検討した基礎研究がドイツのグループから報告されていました。
(J. Nutr. 2008 138: 1417-1420.)


フラボノイド系ファイトケミカルの1種であるケルセチンについては、これまでに多くのデータが示されています。

今回の研究では、バイオアベイラビリティについての検討として、モデル動物を用いて、ケルセチンの長期投与と単回投与が比較され、組織への蓄積が調べられました。


ケルセチンアグリコンが、25mg/kg体重の用量にて単回投与、あるいは50mg/kg体重の用量にて4週間投与された結果、血漿値よりも高値であった組織は、単回投与時では肝臓、長期投与では小腸壁と腎臓であったということです。

この研究では、ベータグルクロニダーゼ活性も測定されていますが、特に有意な変化は認められていません。


ケルセチンは植物性食品に広く分布するフラボノイドであり、抗酸化作用を有することからサプリメントにも用いられています。
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オレユロペンによる心筋保護作用 [2008年08月14日(木)]
オリーブに含まれるポリフェノールのオレユロペンによる心筋保護作用を示した基礎研究が、ギリシアのグループから報告されていました。
(Andreadou et al. PA404)


心筋梗塞などの虚血性心疾患では、虚血・再還流に伴う酸化ストレスによる障害が問題になります。

この障害に対して、抗酸化作用を有するファイトケミカルによる予防や改善作用が期待されます。


今回の研究では、心筋梗塞のモデル動物を対象に、オリーブポリフェノールの1種であるオレユロペンを経口投与(10あるいは20gm/kg体重/日)し、虚血に対する影響が検討されました。

3週間あるいは6週間のオレユロペン投与の結果、対照群に比べて、血漿中の過酸化脂質およびタンパク質の酸化が有意に低下したということです。

また、高用量投与群では、梗塞巣の減少が認められました。

その他、6週間の投与では、中性脂肪の低下など脂質代謝の減少も示されています。


今後の臨床研究の進展が期待される分野です。


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学会認定についての会議 [2008年08月13日(水)]
今日は朝7時から会議でした。
今年度から立ち上げようとしている認定制度についての最終確認です。

外来診療や通常業務を行いつつ、関係者が集まれるのは平日の朝しかないということになったので、この数週間、続いてきた会議です。


全体の構想や総論部分では早くから合意形成ができていたのですが、各論部分では関係者の間で温度差もあり、調整が必要となった事項もありました。

今日の会議で、ほぼコンセンサスが得られたので、一段落です。

次回のこの会議は9月に入ってからで大丈夫そうです。
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大豆イソフラボンによるほてりの改善作用 [2008年08月12日(火)]
大豆イソフラボンによる更年期障害の改善作用を示したヒト臨床研究が、ドイツのグループから報告されていました。
(Pl Med 74;928:2008, SL86)

大豆に含まれるファイトケミカルのイソフラボン類には、女性ホルモン様作用があることから、更年期障害などホルモンバランスに関係する病態の改善作用が示唆されています。

今回の研究では、白人女性192名を対象に、1日あたり100mgのイソフラボン・アグリコンあるいは偽薬が12週間投与され、更年期障害に伴う血管運動症状(ほてりなど)やGCS(Greene Climacteric Scale)等の指標が測定されました。

(被験者の食生活は欧州式であり、基本的には大豆や大豆製品を摂取していないとされています。)


12週間の大豆イソフラボン投与の結果、血管運動症状の有意な改善が認められたということです。

このとき、安全性については特に問題は認められていません。


以上のデータから、大豆イソフラボンが更年期障害に伴う血管運動症状を改善することが示唆されます。

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医学博士 蒲原聖可
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