今月の栄養学の専門誌に、ケルセチンの体内動態に関する研究が、ドイツのグループから発表されていました。
(J. Nutr. 2008 138: 1615-1621.)
ケルセチンはフラボノイド系サプリメントの1種で、サプリメントにも利用されています。
今回の研究では、ケルセチンサプリメントを3種類の用量にて経口投与し、血中濃度の変化が検討されました。
健康な被験者35名を対象に、1日あたり50,100,150mgのいずれかの用量のケルセチンが2週間投与された結果、投与前値に比べて血中ケルセチン値が、178%、359%、570%それぞれ増加したということです。
ケルセチンAUCについても用量依存的な作用が示されました。
ただし、このときに測定された血中尿酸値やトコフェロール値、TNFα等の指標には有意な変化は認められていません。
以上のデータから、ケルセチン投与による用量依存的な血中濃度の変化が示唆されます。
今後、抗酸化作用に関する臨床的意義について、新規バイオマーカーによる検討が必要と考えられます。 |