今月の栄養学の専門ジャーナルに、亜麻仁に由来するリグナンの脂質代謝作用を示した臨床研究が報告されていました。
(Br J Nutr. 2008 Jun;99(6):1301-9.)
亜麻仁(flaxseed、フラックスシード)は、アルファリノレン酸や亜麻仁リグナンを豊富に含むことから機能性食品素材として注目されています。
今回の研究は、高コレステロール血症患者55名を対象に、ランダム化二重盲検偽薬対照試験として実施されました。
具体的には、1日あたり300mgあるいは600mgの亜麻仁リグナン(secoisolariciresinol diglucoside、SDG)あるいは偽薬が8週間投与され、脂質代謝および糖代謝に関連する指標が測定されました。
その結果、前値に比べて、総コレステロール値、LDLコレステロール値、空腹時血糖値のいずれも有意な低下(改善)が認められたということです。
6週および8週の時点において、600mgのSDG投与群では総コレステロールとLDLの低下率はそれぞれ22.0%および24.38%であり、偽薬投与群に比べて有意差が示されています。
また、空腹時血糖値も、前値および偽薬に比べて有意に低下していました。
一方、300mgのSDG投与群では、総コレステロールとLDLについて、投与前値との比較での有意な低下となっています。
亜麻仁リグナン投与群では、血中のsecoisolariciresinol (SECO)、enterodiol (ED)、enterolactoneがいずれも有意に増加していました。
コレステロール低下作用は、SECOおよびEDとの有意な相関が認められています。
以上のデータから、亜麻仁リグナン類による脂質代謝および糖代謝改善作用が示唆されます。
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