神経科学の専門ジャーナル(電子版)に、ピクノジェノールによる認知機能の改善効果を示した臨床研究が、イタリアのグループ(Chieti - Pescara University)から報告されていました。
(
J Neurosurg Sci. 2014 Mar 28.)
ピクノジェノールは、フランス海岸松に由来する機能性食品素材で、フラボノイド類が主成分です。
フラボノイド類による抗炎症作用や抗酸化作用を介した効果が示されており、生活習慣病の予防からアンチエイジング医学まで、広く利用されています。
さて、今回の研究では、
ピクノジェノールによる認知機能への作用が検証されました。
具体的には、
酸化ストレスの亢進した健常者(35-55歳)を対象に、
1日あたり150mgのピクノジェノールを12週間、投与し、
認知機能関連指標や酸化ストレスマーカーなどが測定されています。
(被験者は、酸化ストレス障害の多い、‘healthy professionals’とされています。)
(ピクノジェノール投与群30名、対照群29名)
解析の結果、
12週の時点で、
対照群に比べて、ピクノジェノール投与群では、
認知機能の有意な改善が認められたということです。
また、
血中フリーラジカルは、
12週間の時点において、
投与前と比べて、
ピクノジェノール投与群では有意に減少(-35%)し、
対照群では、
有意な変化は見出されませんでした。
認知機能検査(PASAT, pattern recognition memory, spatial recognition memory, spatial working memory)に関して、
ピクノジェノール群では、
spatial recognition memoryテストの有意な改善、
気分パラメーター(alertness, anxiety, contentedness)の改善なども認められています。
以上のデータから、
酸化ストレス障害の多い健常成人において、
ピクノジェノールによる認知機能の改善効果が示唆されます。
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