サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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肉食は大腸がんリスクを高める [2015年09月03日(木)]
ベジタリアン食および肉食の割合が少ない食生活と、大腸がん(結腸がん・直腸がん)との関連を調べたコホート研究が、オランダのグループ(Maastricht University)から報告されていました。
(Sci Rep. 2015 Aug 28;5:13484.)



これまでの多くの研究によって、栄養学的にバランスの取れた、適切なベジタリアン食は、生活習慣病の予防や改善に有効であることが示されています。

北米の栄養士会のポジション・ステートメントでも、ベジタリアン食が是認されています。

また、AICRなどがん予防指針では、赤肉や加工肉の摂取によるがんリスク増大が示されています。

さらに、最近では、エコロジー、環境保護、環境負荷の少ない食事、持続可能性・サステナビリティといった視点から、ベジタリアン食という選択が注目されるようになりました。



さて、

今回の研究では、

ベジタリアン食あるいは肉食の摂取が少ない食事と、大腸がん(結腸がん、直腸がん)リスクとの関連が検証されました。


具体的には、

オランダでのコホート研究として、

(Meat Investigation Cohort (NLCS-MIC)研究)

1986年から10,210名(うち1,040名がベジタリアンと申告)がフォローアップされています。


ベジタリアン食中心と申告した被験者の内訳は、

ベジタリアン635名、ペスコベジタリアン360名でした。


また、肉食が1週間に1日とした人は、1259名、2-5日/週の人は2703名、
6-7日/週の人は5253でした。



フォローアップの20.3年後に、

大腸がん437名(結腸がん307名、直腸がん92名)が見出されました。


解析の結果、

大腸がんリスクは、

6-7日/週の肉食に比べて、

ベジタリアン、ペスコベジタリアン、1日/週の肉食群において、

リスク低下傾向が見出されました。

(それぞれ、27%低下傾向、20%低下傾向、28%低下傾向)



各群の間に見られるリスクの差は、食物繊維の摂取と大豆製品の摂取により説明されうる、ということです。

その他の食事あるいは非食事因子による影響は示唆されていません。


以上のデータから、ベジタリアン食を中心とした食生活による大腸がん(結腸がん、直腸がん)のリスク低下作用が示唆されます。







生活習慣病とライフスタイルとの関連については,下記の研究が知られています。



地中海食で死亡率が半減する



低炭水化物(糖質制限)食と地中海食は低脂肪食よりも有効



オリーブオイルの摂取10gで全死亡率が7%低下



地中海食がメタボを抑制



バージンオリーブオイルとナッツ類を含む地中海食の抗炎症作用



バージンオリーブオイルの心臓病予防作用




ベジタリアン食による心血管疾患リスク低下作用




ベジタリアン食による血圧低下作用@メタ解析




なお、ベジタリアン食であれば何でも健康的になる、というわけではありません。


(例えば、野菜はナシで、パスタにチーズ、パンの組み合わせでも、ラクトオボにはなりますが。)


もちろん、栄養学的にバランスの取れた、適切なベジタリアン食を摂取することが重要です。



一般に、植物性食品の摂取が多いベジタリアン食では、ファイトケミカル・ポリフェノールの摂取が多く、抗酸化作用を介した生活習慣病の予防効果が想定されます。


北米の栄養士会が共同で発表した見解によると、「適切に準備されたベジタリアン食は、健康に有益であり、必要な栄養素を満たしており、いくつかの疾患の予防や治療にも利点がある」とされています。


実際、これまでの疫学研究によって、肉食をする人々に比べて、ベジタリアンでは生活習慣病が少ないことが示されています。

ベジタリアン食による具体的な効果として、肥満、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、高血圧、脂質異常症、糖尿病、前立腺がん、大腸がんの発症リスクが低下します。

また、日本人ベジタリアンを対象にした調査でも、ベジタリアンは、非ベジタリアンと比べて、体格指数(BMI)、血圧、血中総コレステロール値、中性脂肪値が有意に低いことが見出されています。




DHCでは、良質の植物性食品として、
次のような関連製品を取り扱っています。



DHC発芽玄米



DHC発芽玄米麺



エクストラバージンオリーブオイル



ところで、最近の研究によって、糖質制限食・低炭水化物食よる減量・ダイエット効果や2型糖尿病での血糖コントロール改善効果が明らかとなっています。


また、
植物性たんぱく質および植物性脂質による心臓病リスク低減作用が知られています。



医学的に適切ではない糖質制限食のパターンとして、「糖質制限食・低炭水化物食では、‘焼き肉・ステーキ’食べ放題」があります。
動物性たんぱく質や動物性脂質の過剰摂取は、心血管疾患リスクを高めることが懸念されます。


植物性食品をベースにした糖質制限食・低炭水化物食による体重と脂質代謝への効果として、

エコアトキンスダイエットの減量と脂質代謝改善作用



といった研究もあります。


DHCでは、

肥満・糖尿病・アンチエイジング・ヘルシーエイジング(健康長寿)のための食事として、

「‘ゆるやか’糖質制限」(緩やかな糖質制限食・低炭水化物食)を推奨しています。



最新の科学的根拠を俯瞰すると、

「緩やかな糖質制限食・低炭水化物食」を基本とした食生活が、

「ヘルシーエイジング(健康長寿)」

「ダイエット(適正体重の維持)」

「アンチエイジング(抗加齢)」

に有用であると考えられます。





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