今月の皮膚科学の専門ジャーナルに、慢性蕁麻疹とビタミンDの関係を調べた研究が報告されていました。
(
J Dermatolog Treat. 2015 Aug 21:1-19.)
近年、ビタミンDは、骨の健康維持だけではなく、免疫調節作用や抗がん作用、抗炎症作用など、多彩な効果が示されています。
ビタミンDが免疫機能に関与することから、
ビタミンD値と、慢性蕁麻疹の症状との関連が推察されています。
そこで、
今回の研究では、
慢性蕁麻疹の症状およびQOLに対するビタミンDの作用が検証されました。
具体的には、
慢性蕁麻疹患者58名と、対照群45名を対象に、
患者群は、軽症/中等度と、重症の2群に分けて、
血中ビタミンD値(25(OH)D)が測定されました。
続いて、
ビタミンD値が30 µg/L未満と低値であった被験者に対しては、
1ヶ月あたり300.000 IUの用量でビタミンD3サプリメントが、標準治療に併用され、
3ヵ月後の時点での臨床指標が調べられました。
慢性蕁麻疹の指標として、
蕁麻疹活動性スコア(UAS4)と、
慢性蕁麻疹QOL(CU-Q2oL)が用いられています。
解析の結果、
まず、
健常対照群に比べて、
慢性蕁麻疹の患者群では、
血中ビタミンD値が有意に低値でした。
(p<0.001)
次に、
ビタミンD欠乏(< 20 µg/Lと定義)
および
ビタミンD不足(< 30 µg/Lと定義)
の割合は、
対照群よりも慢性蕁麻疹患者群で有意に高率でした。
層別解析では、
健常対照群に比べて、
軽症/中程度の慢性蕁麻疹群、
および
重症の慢性蕁麻疹群では、
血中ビタミンD値が
それぞれ有意に低値でした。
(P=0.011, p<0.001)
ビタミンD値が低値(25(OH)D < 30 µg/L)患者の98%が、
ビタミンD3サプリメント(300.000 IU/月)の投与を受けた結果、
12週間後の時点で、
慢性蕁麻疹に関連する症状の改善(UAS4)およびQOL(CU-Q2oL)の改善が認められました。
以上のデータから、
慢性蕁麻疹患者ではビタミンD不足や欠乏が高率に認められ、
ビタミンD3サプリメント投与による、
慢性蕁麻疹の症状改善およびQOL改善作用が示唆されます。
近年、ビタミンDは、骨の健康維持だけではなく、免疫調節作用や抗がん作用など、多彩な効果が示されています。
一般に、
健康保持や疾病予防、ヘルシーエイジングを目的としたビタミンD3サプリメントは、
1日あたり
25マイクログラム(1,000 IU)から、50マイクログラム(2,000 IU)が推奨されます
ビタミンD3サプリメントは、安全性、有効性、経済性に優れていますので、健康保持や疾病予防、あるいは多くの疾患での栄養状態を改善する前提条件に、ベーシックサプリメントとして広く利用されることが推奨できます。
多くの生活習慣病や慢性疾患、難治性疾患の患者群において、ビタミンD低値が示されており、ビタミンDサプリメントの臨床的意義が注目されています。
米国での関連学会は、下記の推奨をしています。
米国老年医学会は、1日あたり4,000 IUを推奨
米国老年医学会(AGS)では、高齢者における転倒や骨折を予防するために、血中ビタミンD値(25OH-D)が30 ng/mL (75 nmol/L)は必要としています。
そして、ビタミンDの推奨量は、1日あたり4,000 IUとしています。
(これは、食事、サプリメント、日光暴露による総量です。
なお、この量は、現実的には食事のみからでは不可能であるため、サプリメントを利用することになります。)
米国内分泌学会は、1日あたり1,500 IU〜2,000 IUを推奨
米国内分泌学会のガイドラインでは、1日あたりの所要を男女とも年齢によって、次の3段階に分けています。
1歳未満の乳児は400〜1,000 IU、
1歳〜18歳では600〜1,000 IU、
19歳以上では1,500 IU〜2,000 IU
サプリメントでは、ビタミンD3が用いられます。
日本からの報告では、
ビタミンDサプリメントのインフルエンザ予防効果
が知られています。
また、さまざまな生活習慣病では、血中ビタミンD値が低いことが知られており、健康保持や疾病予防のために、ビタミンDサプリメントの摂取が推奨されます。
(欠乏症の予防ということでは通常の食事からでも補えますが、疾病予防という目的では、1日あたり1,000〜2,000
IUの摂取が必要であり、サプリメントを利用することになります。)
今日では、ビタミンD欠乏症の典型例のような疾患は少ない一方、血中ビタミンDの低値が広く認められることから、生活習慣病の予防やアンチエイジングを目的としたビタミンDサプリメントの利用が推奨されます。
日本人の間でも、ビタミンDの潜在的不足/欠乏が顕著になっています。
たとえば、
日本人妊婦の90%がビタミンD不足、
血中ビタミンD値が高いと大腸腺腫リスクが低い
というデータがあります。
DHCでは、
ビタミンD3サプリメントを製品化しています。
ビタミンDサプリメントに対する効果には個人差がありますが、
臨床的には、ビタミンDサプリメントを1,000 IU/日の用量で投与すると、血中25ヒドロキシビタミンD値が10ng/mL増加する、
という報告もあります。
マルチビタミンのビタミンDはRDAのための設定ですので、別途、ビタミンDサプリメントの利用となります。
------------------------------------------------------------------
医療関係者のための健康食品情報サイト【DHCサプリメント研究所】
業界最大手の責任として――ここまでやるのが、DHC品質
【DHC健康食品相談室】
【DHCの研究開発】
【健康食品FAQ】
DHCが第1位@利用している(利用したい)メーカー(経産省の調査)
------------------------------------------------------------------