多発性硬化症に対する抗酸化サプリメントの有用性を検証した系統的レビューが、カナダのグループから報告されていました。
(
Mult Scler. 2015 Aug 18.)
多発性硬化症(MS; multiple sclerosis)は、免疫系の関与する神経変性疾患の1種であり、
脳における神経変性に炎症が関与することが示唆されています。
今回の研究では、
多発性硬化症に対する抗酸化サプリメントの有用性について、
基礎研究と臨床研究の系統的レビューが行われました。
具体的には、主要医学データベースから
3,507報が抽出され、145報が解析のクライテリアに合致しました。
対象となったのは、
αリポ酸、抗酸化ビタミン、イチョウ葉エキス、ケルセチン、レスベラトロール、エピガロカテキンガレート(ECGC)です。
解析の結果、
まず、基礎研究(動物モデル)において、
最もエビデンスが示された抗酸化サプリメントは、
EGCGとαリポ酸でした。
これらは、抗炎症作用および抗酸化作用を示し、
神経障害の減少(改善)も見出されたということです。
次に、
ビタミンE、イチョウ葉エキス、αリポ酸は、
予備的な臨床試験が行われていますが、
有用性に関するエビデンスは一定ではありませんでした。
以上のデータから、
論文著者らは、
多発性硬化症(MS)に対する抗酸化サプリメントとして、
カテキン(EGCG)およびαリポ酸がもっとも一定した有用性を示しているが、
臨床前研究のデータであるため、
MSの症状や進行への作用はさらに検証が必要と考察しています。
なお、最近の研究では、後述のように、コエンザイムQ10やビタミンDの有用性が示されています。
コエンザイムQ10は、抗酸化作用を有し、
ビタミンDは抗炎症作用を有しています。
DHCでは、
カテキン、αリポ酸を製品化しています。
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αリポ酸、
多発性硬化症(MS)に関連した機能性食品の研究報告として、下記のデータが知られています。
コエンザイムQ10による多発性硬化症での抗疲労効果
多発性硬化症の症状とビタミンDとの関連
コエンザイムQ10による抗炎症作用@多発性硬化症患者
コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。
還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)
コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。
したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、
酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。
一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、
還元型CoQ10の利用が推奨されます。
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